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チャレンジ組合ちば 2019.4  幕張ベイタウン商店街振興組合

テーマ : 空き店舗の活用について

補助事業名 平成30年度 千葉県商店街振興組合連合会 計画策定促進事業
対象組合等 幕張ベイタウン商店街振興組合
  ▼組合データ
  理事長 山根 治仁
  住 所 千葉市美浜区打瀬2-16 パティオス 17 番街 1 F
  設 立 平成25年4月
  業 種 小売業、サービス業中心の異業種
  組合員 86人
担当部署 千葉県中小企業団体中央会 商業連携支援部(℡ 043-306-3284)
専門家 コンサレンツァ・ガーディナツィオ
代表 伊藤 壮平( 中小企業診断士)

背景と目的

 JR京葉線海浜幕張駅に隣接する幕張新都心地区の住宅エリアとして平成6年に誕生した幕張ベイタウンに所在する幕張ベイタウン商店街振興組合はこの沿道のテナントとして出店している商店・事業所を組合員として、平成7年に発足した任意団体の商店会を母体に平成25年に法人化しました。
 組合活動は、共同売り出し、イベント事業、共同駐車場の運営管理等多岐にわたっていますが、地域コミュニティの形成を意識した活動を中心に「ベイタウン朝市」「ベイタウン夏祭り」「ウィンターフェスティバル(イルミネーション)」等のイベントを実施しています。これらのイベントの認知度・継続意向は8割を超え、非常に高いものとなっています。また、商店会から地域住民向けタウン誌「ベイタウン・はっぴーもーる」の発行も行っています。
 街開きから四半世紀が経過し、当初から居住している住民の高齢化及び新たな住民層との入れ替わりや、店舗エリアが、住宅用マンションの1階の賃貸店舗で構成されているため、店舗の入れ替えが頻繁に行われてきている状況にあり、個性的な専門店撤退後の入居テナントが塾・病院・美容院等と偏りがある等、小売機能の弱体化の懸念も見受けられるようになりました。
 またJR京葉線の高架を挟んだ反対側に新たな住宅街区となる若葉地区の街開きが予定されており、この先さらなる環境変化が予測されています。組合では昨年、変化に対応できる持続的な将来の発展に向けた活動指針・ビジョン策定に向け、住民と事業者にアンケートを実施しました。

アンケートでみる組合への期待

 その結果、組合に一番求めていることは何よりも「商業施設の充実」「買いたいもの・受けたいサービスがあること」で現在の特定の業種偏重に対して違和感を感じていることが浮き彫りになりました。また子供を連れてなかなか遠くに行くことができない子育て世代や、車で外出できない高齢者を中心に、日常生活に必要な食品等の最寄品店や飲食店の充実を求める声が非常に強くなっており「気軽に立ち寄りくつろげる空間」、「楽しく買い物できる環境」を求める層が多いことがわかりました。

事業の活動内容

 これらの声に応えるべく、組合では地域の子育て支援や世代間交流に資する事業として「タウンカフェ(コミュニティカフェ)」の開設の検討を継続的に行なっています。カフェだけでなく、商店街内の偏った業種構成を補完するため、パン店等を併設することも検討中です
空き店舗活用モデルの試算
 開設時こそ公的資金の活用等でイニシャルコストを抑えることは可能ですが、持続的な経営ができるよう採算性を考える上で一番ネックとなるのが、当幕張ベイタウン地区は人口増加傾向にある人気のエリアであり、月の賃料が坪単価1万円〜1万5000円前後と高止まりしている点が挙げられます。また従業員を雇うとなると、人件費も合わせて考慮する必要があります。
 「小企業の経営指標(日本政策金融公庫)」の指標を元に、出費事業に対し必要とされる売上高を試算してみたところ、カフェの場合月間が173万円(日販7万円ほど)、パン店の場合360万円(日販10万円ほど)となりました。
 地域住民、学生、各種地域団体との連携で人件費を抑える、オーナーの理解を得て賃料交渉する等の方策も考えられますが、貸主が大手デベロッパーであることや、空き店舗が出てもすぐ別のテナントで埋まってしまうことも多いため、交渉の難航も予想されます。
 併せて組合自体に運営ノウハウが蓄積できるかどうかの懸念もあります。コミュニティカフェの箱(建物)を用意した上で実運営のノウハウを有するNPO法人、まちづくり会社等へ運営委託する方式も検討するべきでしょう。

事業の成果

 持続的な事業運営を可能にするために、安定的な固定収入を確保することも重要です。
 近隣にオフィス街である幕張新都心地区が所在することを活かし、企業との連携・協賛で一定の広告収入を得ることや共同運営で運営コストを下げることもアイディアとして挙がっています。但し1つの企業のカラーが色濃く出てしまうと商店街としての独立性に影響を及ぼす恐れもあり、複数の企業とのコラボレーションが望ましいと考えられます。
 また近隣のZOZOマリンスタジアムを拠点とする千葉ロッテマリーンズをはじめ、バスケットボールの千葉ジェッツ、サッカーのジェフユナイテッド千葉の関係者も幕張ベイタウンに在住していることから、これらのチームの試合をパブリックビューイングする拠点とし地域愛を深めてもらう、という発案もありました。

今後の事業展開・展望

 国の平成31年度予算で「地域まちなか活性化・魅力創出支援事業」(従前の地域商業自立促進事業に相当)が公募されてますが、本年度は現状市街地中心のものとなっています。
 但し、臨時・特別措置枠で「商店街活性化・観光消費創出事業」が予定されていますが、「観光やインバウンド需要の取り込み」がメインであると銘打たれており、この補助金の活用を検討するのであれば「コミュニティ施設の整備」というスキームにインバウンド・観光需要取り込みの観点を考慮する必要が生じます。

インバウンド・観光需要を取り込むには

 そんな中、幕張ベイタウン地区で「追い風」「機会」となるのが、2020年のオリンピック・パラリンピックです。幕張地区(幕張メッセ)も競技会場となるため、多数の外国人の来訪が予想されます。その中で幕張ベイタウン地区や周辺における
・ 住民(空港関連・球団関連)や幕張新都心内の企業
・ 神田外語大学、渋谷幕張高校、幕張総合高校等の学校が所在
・ 幕張新都心、美浜公園等の観光資源及びホテル群等の「資源」を活用し、例えば、
・ 外国語堪能な学生、住民によるオリンピック、パラリンピックガイドボランティアの活動拠点
・ ホテル宿泊外国人をターゲットとしたアンテナショップ、周辺ツアー等の拠点等としてコミュニティカフェを活用する方策であれば、オリンピック・パラリンピックに訪れる外国人の商店街への取り込みも視野に入れることができます。
 その上でオリンピック期間後も持続的に事業が継続できる事業体制を並行して実施することが重要です。

(中小企業診断士 伊藤 壮平)


『中小企業ちば』平成31年4月号に掲載 (※内容・データ等は掲載時の物です)

 

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