テーマ : 『こだわり宣言』の新たな展開に向けて

補助事業名 平成28年度連携組織活性化研究会事業
対象組合等 習志野台商店街振興組合
  ▼組合データ
  理事長 天羽 しづえ
  住 所 千葉県船橋市習志野台2-6- 11
  設 立 昭和60年3月
  業 種 小売業、サービス業中心の異業種
  会 員 61人(平成29年12月1日現在)
担当部署 千葉県中小企業団体中央会 商業連携支援部(℡ 043-306-3284)
専門家 Eマネージメント研究所 所長 江波戸 勝(中小企業診断士)

背景と目的

 船橋市習志野台地域は昭和30年代後半から住宅開発が急速に進んだ地域で、半径1キロ圏の人口は4万2千人が居住する市内屈指の商圏を有しています。
 平成8年に東葉高速鉄道が全線開通したことに伴い、北習志野駅がターミナル化し、東京圏へ直通電車が走るようになってからは居住地域として利便性が向上し、新住民が増加していく一方で、大型小売店や大手チェーン飲食店などが進出してきており、当初からこの地において商売を営んできた専門店の存在そのものの影が薄くなってきていました。
 このようなことから平成11年に、組合員の各店がとっておきの商品やサービスを、自信を持って地域の皆様にお奨めする運動として『こだわり宣言』を行ってきました。
 しかしながら、この取り組みも15年という年の経過とともに、物販店の減少により、参加店は当初の29店舗からここ数年は19店舗に減少してきてしまいました。
 このようなことから、連携組織活性化研究会事業は、単なる販売促進のためのチラシ作成にとどまることなく、商店街として行う他のイベントとも連携させ、参加各店のこだわりを地域の皆様に広く知っていただく方策を検討していくこととしました。

これまでの主な活動内容

 組合活動は、全蓋アーケードのかかった広場(愛称:JuJu広場)をメイン会場にして行うイベントを中心に、近隣の商店街と連携しながら次のような活動を実施しています。
 6月~7月 中元売出し
 7月   市民まつり北習志野会場として各種イベント実施・JuJu広場にてビアガーデン実施 
 10月  ハロウィンまつり
 11月  自衛消防隊防災訓練 
 11月~12月 歳末大売り出し
 2月又は3 月 こだわり宣言と連携した『きたなら元気!』の実施
 隔月第4日 曜日 駅前大通りを歩行者天国にしてイベント実施(12月・1月を除く)
 特に、隔月第4日曜日に行うイベントは、地域コミュニティの形成を意識した活動を中心に行っています。
 また、毎年10月の歩行者天国の日曜日に行っているハロウィンまつりは、隣接するビアーレきたなら商店会と連携して行っているイベントです。JuJu広場を起点として両商店街内を仮装した親子連れがパレードするもので、毎年500人~600人の参加者で賑わいを見せています。

(ハロウィンパレード)

事業の活動内容

 各店のお奨めの商品やサービスを『JuJuのこだわり宣言』としてチラシにまとめ、例年同様にコミュニティ紙を通して地域内の各世帯に配布しましたが、更なる周知を目指して次のような取り組みを行いました。

(こだわり宣言チラシ:外面)(こだわり宣言チラシ:内面)


【JuJu きたならお茶会の開催】
 毎年2月下旬から3月上旬にかけて行われている「船橋アリーナのひなまつり」と連携して、雛飾りを見に来た住民の皆さんに、無料で「お茶」の接待をするというおもてなし事業で、その際のお茶請けとして、チラシ掲載商品の中のお菓子を選んで提供しました。提供したお菓子の評判はよく、こだわり宣言のチラシを改めて読んでいるお客様も見受けられました。

(来場者への接待)

【きたなら元気!の開催】
 こだわり宣言をPRすることを目的に、地域団体の方々の協力を得て「きたなら元気!」を行いました。
 「きたなら元気!」は、参加者に「きたなら元気参加証」を配付し、参加証を持っているお客様が商店街内の8店舗で赤いリボンを付けている店員さんを見つけ、その店員さんと「きたなら元気!」と掛け声をかけながらハイタッチするゲームです。

(参加者受付)

 店員さんとハイタッチしたお客様の参加証にハンコが押され、ハンコが6個貯まった参加者には、各店が提供してくれたこだわり商品が抽選でプレゼントされる仕組みとなっています。
 本事業は、各店のこだわり商品の周知による買い物機会の向上を図ることと、参加者及び地域団体の皆さんとお店の方々との交流を深めることを目的として毎年行っており、本年度は130名の参加者が街なかを巡り歩き、「きたなら元気!」と呼びかけあっていました。
 会場では、地域団体の皆さんによる街行く人々へのお汁粉の接待も併せて行われました。

 今後の事業展開・展望

 これらの結果を踏まえて、商店街としてのこだわり宣言が、更に地域に浸透し、参加店の売上向上はもとより、新規にテナント出店してきている店舗などへの働きかけを行って、地域での商店街の存在価値を高めていくことを目指しています。
 また、組合事業の目的として地域コミュニティの強化を図っていくことは今後とも変わることはありませんので、地域の子供たちを対象にした食育事業を中心にしながら、年間を通して商店街を舞台に活動を展開し、地域と共に生きる商店街の実現に努めていきたいと考えているところです。

(江波戸 勝)


『中小企業ちば』平成30年2月号に掲載 (※内容・データ等は掲載時の物です)

 

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