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チャレンジ組合ちば 2018.12  中山商店会

テーマ : インバウンドに向けた中山商店会の活動

補助事業名 平成29年度 千葉県商店街連合会 補助事業
対象組合等 中山商店会
  ▼組合データ
  理事長 三橋 正美
  住 所 千葉県船橋市本中山2-19-2
  設 立 昭和23年
  業 種 小売・サービス業
  会 員 93人
担当部署 千葉県中小企業団体中央会 商業連携支援部(℡ 043-306-3284)
専門家 大塚マネジメント研究所 所長 大塚愼二(中小企業診断士)

背景と目的

 中山地区は、大本山中山法華寺の玄関口にあたり、下総中山駅から550mにわたる2つの参道型商店会で成り立っている。駅から北へ黒門までの街区が船橋市の区域であり中山商店会が位置し、その奥の市川市には中山参道商店会が形成されている。中山商店会は地元スーパーや薬局、中華料理店、ファーストフードなど最寄り品・飲食を中心に賑わいのある商店会である。商店会を訪れる参拝客も多く、和菓子、せんべい等のお土産物店をはじめ日本そば、中華料理店など飲食店も多く、街全体が「昭和レトロ」のような雰囲気を醸し出している。
 中山地区の顔ともいえる中山法華経寺は日蓮宗で最も古い寺院で、国宝の祖師堂、法華堂、五重塔などの史跡に恵まれる一方、「中山の鬼子母神」として、子育て、安産、学業等に御利益のあるお寺として全国からの参拝者も絶えない。
 日本の観光は大きな転換期を迎えており、インバウンド対策が重要となっている。そこで、観光統計によれば「訪日外国人旅行者数」は毎年増加傾向をたどり、2017年には2869万人もの外国人観光客が日本を訪れており、ここ10年間で3倍以上の数に上っている。しかも、その約8割はアジアからの観光客が占めており、これまでの訪日外国人による需要や消費動向とは質的変化がみられる。
 東京や京都などのゴールデンルート以外の地方の観光地にも足を運びたいという傾向が強まっており、中山地区の魅力である日本的で文化的な佇まいは外国人観光客にとって魅力ある貴重な観光資源と考えられる。
 中山商店会では、千葉県の支援をうけ、平成27年度から29年度にわたり、「中山地区観光活力活性化事業」としてインバウンド対策に取り組むこととなった。

事業の活動内容

①皆で学べば接客OK「英語教室の開催」
 最近では中山法華経寺の門前まちにあたる中山商店会には、外国人の姿が見られるようになってきた。こうした動きを捉えて、中山商店会の三橋会長は、得意な世界共通語と言われる英語に着目し、英会話教室の開講を決断した。
●平成27年11月より翌年1月にかけ中山消防会館において、毎週金曜日の午後7時30分から、10回開催した。
●内容は、英単語・簡単な会話力の向上を目的とした英会話教室であり、商店主を主体に、集まりやすい時間帯を選び60分という短時間でアメリカ人の講師により行われた。この英会話教室では、日本人に多い訪日観光客が話す英語に対する萎縮や緊張が緩和されるよう道案内や簡単な買い物時の対応について学んだ。

②商店会連携による外国人モニターツアーの実施
 訪日者や日本に在住する外国人をモニターとしてJR下総中山駅~中山法華経寺近辺までの観光ツアーを設定し参加を呼びかけた。
●平成29年2月26日(日)に実施した体験ツアーは、1グループ5~6名編成の3グループとして、各グループには通訳を付け、英語で案内を行うことで参加外国人の理解を深めた。
●中山法華経寺のガイドに始まり、日本文化体験ツアーとして、和菓子づくり、日本の生け花などを体験してもらった。どの体験も初めての体験であり、日本文化の奥行きと楽しさ、味のおいしさを実感していただいた。ツアー協力店は参道商店会のお店も協力していただくなど、商店会同士の連携の強みを遺憾なく発揮できた。

③ニーハオ・千葉商大の留学生が教える「中国語教室の開催」
 最近では、訪日観光客のうち中国人の割合が一番高いことから、中国からの訪日観光客に対するおもてなし力を強め、地域商業と商店の活性化を目指すことが急務と考えられている。

●平成29年12月の4日間、毎週金曜日の午後7時より、1時間、中山消防会館に於いて開講した。
 筆者が千葉商科大学の非常勤教員である関係で、講師には千葉商科大学2年生で中国からの留学生である袁さん、鄭さんに担当していただいた。講座参加者は、中山地区商業者(商店主・従業員)及び地域貢献のため一般参加者をも募った。
●初歩的で親しみやすい中国語をモットーに、文法中心の中国語講座ではなく買物や観光等に必要な会話を中心に構成され、学生手づくりの資料による初歩的講座を目指した。本中国語教室に千葉日報からの取材がある等インバウンドに対する関心の高さが感じられた。

事業の成果

 サントリーの創設者〈鳥井信治郎〉の言葉に「やってみなはれ」という名言がある。中山商店会のチャレンジは時代の一歩先を行く試みとして、かなり厳しいモノがあった。三橋会長や千葉県、船橋商工会議所の厚い支援のもとに「やってみた」本事業において、次のような成果があった。

●日常の近隣型商店街+観光型商店街の要素を意識出来るようになった中山商店会
 中山商店会は2つの顔を持つ商店街であり、地元の買物需要にプラスして、観光需要を取り込むことのできる商店会である。中でも、インバウンドへの対応策として、今後ますます増加する訪日観光客を招致し、それを起爆剤として更に魅力ある中山商店会をつくりあげることが期待される。

●体験イベントで評価された「普段着の日本、素のままの中山」の味わいを活かす
 間違いなく中山の一番の売りは中山法華経寺であり、この地区の良さは、いわゆる観光地として開発されていないことである。狭い店舗スペースでの体験を通じて、逆に表面的な観光では不可能な〝「普段着の日本の良さ」、「日本の一般家庭の生活」〟を感じられたのではないだろうか。これこそが中山が訪日観光客にアピールできる一番の魅力といえよう。

今後の事業展開・展望

 これからの中山地区においては、人も大変重要な観光資源であり商いの源泉と言える。人と人とのふれあいをアピールするのであれば、その際に必要となるコミュニケーション手段(英語・中国語)についても、これから更に高めていく必要がある。外国人に限らず、人を温かく迎え入れるという気持ち、思いやるという気持ちの大切さを中山商店会、中山地区の全員で共有できた時、今後ますます明るい展望が期待できるといえよう。

(中小企業診断士 大塚愼二)


『中小企業ちば』平成30年12月号に掲載 (※内容・データ等は掲載時の物です)

 

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