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チャレンジ組合ちば 2017.06  八街駅南口商店街振興組合

テーマ : 買い物難民対策・空き店舗対策・集客対策について

補助事業名 平成28年度連携組織活性化研究会
対象組合等 八街駅南口商店街振興組合
  ▼組合データ
  理事長 土岐 寛一
  住 所 千葉県八街市八街ほ237
  設 立 平成14 年4 月
  業 種 小売業、飲食店中心の異業種
  会 員 60人
担当部署 千葉県中小企業団体中央会 商業連携支援部(TEL 043-306-3284)
専門家 ガーデニング・コンサルティングオフィス 代表 伊藤 壮平

背景と目的

 八街駅南口商店街振興組合はJR 総武本線八街駅南口から約300m圏内に位置する商店を中心に構成されている近隣型商店街です。
 組合組織化後、様々な集客施策を実施しており、「八街ふれあい夏まつり」の開催、ゆるキャラ「ぼっちくん」、アンテナショップ「ぼっち」、ボックスショップ「悠友」の運営や、近年では買い物難民に向けた宅配事業など様々な施策を実施してきました。
 周辺を取り巻く環境として、近隣の国道に面する郊外型大型商業施設の進出による商業競争の激化や、平成22年の国勢調査での高齢化率は19.7%と全国平均の23%より下回っていますが、人口は減少傾向にあり、今後高齢化率の上昇や要介護者の増加は避けられない状況となっています。街区内の空き店舗対策も急務としており、これらの環境変化に対して、組合で今後実施すべき施策について立案が必要と考えています。
 ヒアリングを進める中で、現在取り組んでいる宅配などの「買い物難民対策」、喫緊の課題である「空き店舗対策」及び新規顧客獲得を中心とした「集客対策」についてテーマを絞り、県内及び全国の先進事例をベースに検討を行いました。

事業の活動内容

買い物難民対策
 経済産業省が平成28年4月に発表した「地方公共団体における買い物弱者支援施策」では、全国で776施策(千葉県内では32施策)あり、対策の方向性としてはこの3点に集約されます。

① 身近な場所に「店を作ろう」(空き店舗活用による
② 家まで「商品を届けよう」(宅配・買い物代行・配食)
③ 家から「出かけやすくしよう」(タクシー・バスなどによる送迎)

 但し、いくつかの事業の経過を追ってみると、組合単体で実施している施策は、補助金で始めてはみたものの、補助金がなくなった後の事業継続性が乏しい事例が多いことが判明しました。このことから「運営費が賄えることが前提の、事業継続を見据えた」、「複数事業者やボランティア組織などとの連携体による」、「見守りサービスとの連携や広告収入など複数の収益源があるなど収益性の高い」モデルの構築が必要と考えられます。
 また宅配については、食品など実際に目で見て商品を選びたい、商店街に出て買い物をしたいという声も根強く、利用者の継続的な利用につながっていないケースも多く見受けられました。利用者・住民アンケートなどを通じたニーズの把握が重要となってきます。

・空き店舗対策
 千葉県が実施した「平成27年度商店街空き店舗数調査」によれば、県全体の空き店舗率は9.9%となっていますが、八街駅南口商店街振興組合が所在する印旛地区では14.3%と、安房地区(22.2%)、夷隅地区(21.7%)、山武地区(20.0%)、海匝地区(15.7%)に次いで高い数字となっています。
 空き店舗対策の全国の事例の傾向としてこの3点が挙げられます。

① 地域の創業希望者・若者を取り込む
② 地域外から人を呼ぶ
③ 地域にない業種を自前で運用する

 ①では空き店舗の問題と同時に経営者の高齢化の問題も抱えており、若い出店者を商店街に取り込むことを目的として、賃料の補助や、空き店舗を複数空間に区切ったインキュベーション店舗など、創業者が出店しやすい環境づくりを進めている地区が見受けられます。また商店街が新規創業者・創業希望者の育成に取り組んでいる事例もありました。
 県内の市の中には国の特定創業支援事業の認定を受け、創業者に対して商店街と連携した空き店舗情報の提供や補助、また空き店舗への出店希望者に対しての補助などを実施している所もありますが、こうした施策の周知が及んでいないなど積極的な取り組みとはなっておらず、より官民が連携した形の支援が望まれます。
 ②は空き店舗を利用してシェアハウス・コワーキングスペース・交流施設・託児所などの整備をすることで、新しい層の取り込みを図る事例が挙げられます。またフィルムコミッションを結成して、テレビドラマや映画の撮影を積極的に誘致している商店街もありました。
 ③は商店街からなくなってしまった生鮮3品などを取り扱う店舗を商店街自前で運営するケースです。徒歩でしか買い物に行けない高齢者などの「買い物難民」対策としても効果的な施策ですが、ノウハウがない所から始めるリスクはあり、地元農家や地区外の商業者との密な連携が重要なポイントとなってきます。
 長野県佐久市の岩村田本町商店街振興組合ではこの①②③を高度に組み合わせて運営しており、「誰を商店街に呼びたいのか」を明確にした事業計画が立てられています。

・集客対策
 既存顧客の高齢化も多くの商店街が抱える課題の1つです。新規顧客の獲得が進んでいない個店が多く、その要因はこの2点に集約できます。

① 商店街に行く理由がない
② 店を知らない

 ①はイベントの開催などで一時的な集客は可能ですが、②の課題解決には至らず、「『人』は集まるが、『お客様』が集まらない」状態となってしまっており、経営者の高齢化とともに動ける人が減ってしまい、疲弊してしまった商店街も多く存在します。
 ここ数年、商店街活性化の施策として注目を集めている、「三種の神器」と呼ばれる「まちバル」「100円商店街」「まちゼミ」は、商店街に人を呼ぶイベント性があると同時に、大型店にはない専門性や目利きなど個店の魅力を伝えることができる、①②の課題を同時に解決できうる施策です。
 「まちバル」は基本的には飲食店中心の業種構成向けであり、また「100円商店街」はある程度の商業集積がないと効果が減少してしまい、フリーマーケットなどを併催することで補完することも可能ですが、フリーマーケットの開催の運営負担なども生じてしまいます。
 一方「まちゼミ」は個店単位の受付・開催であるため、商店が散在する商店街でも実施可能であるのと、特定の人に運営負担が集中しないなどのメリットもあります。ただし「売り込まない」などの参加店舗のガイドラインの理解、ルールの遵守と、継続的な開催が重要である点は留意する必要があります。

 今後の事業展開・展望

 今年の10月にJR八街駅南口に路線バスの乗り入れが予定されており、バス利用客層の取り込みに向け、「まちゼミ」を中心とした集客対策の検討を進めてゆくことになりました。「まちゼミ」の実施にあたっては、実施理念の共有と継続的実施の必要性について事前の理解が重要です。
 「買い物難民対策」「空き店舗対策」については、しっかり「ターゲット」を見据えた「商店街ビジョン」の策定と中長期的な事業計画の策定、及び行政や商工会議所などの支援機関との連携が必須であり、また補助金の活用に当たってもこれらが求められるのと、近年の補助金は募集期間が短いため、前もって策定の準備を進める必要性を共有できました。

(伊藤 壮平)


『中小企業ちば』平成29年6月号に掲載 (※内容・データ等は掲載時の物です)

 

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