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チャレンジ組合ちば 2011.04  千葉県印刷工業組合

テーマ :組合員の経営力向上に向けた業態変革への取組み

補助事業名 平成21年度組合等新分野開拓支援事業、平成22年度連携組織活性化研究会
対象組合等 千葉県印刷工業組合
  ▼組合データ
  理事長 日暮 秀一
  住 所 千葉市緑区古市場町 474-251
  設 立 昭和 34年
  業 種 印刷業
  会 員 56人
担当部署 千葉県中小企業団体中央会 工業連携支援部(TEL043-242-3277)
専門家 野々上総合研究所 所長 野々上 寛(中小企業診断士)

背景と目的

 印刷業界は、インターネットの普及、プリンター性能の飛躍的な向上により、事業基盤の脆弱化が進行、市場が年々縮小している。この状況を打開するため、全日本印刷工業組合では、業態変革プランを2004年よりスタートしており、印刷を中心とした「周辺事業領域の拡大」と顧客への「ワンストップサービスの提供」により高付加価値化と価格以外での差別化を図り、業界の収益構造改善と収益拡大を目指している。今回紹介する千葉県印刷工業組合でも、同様の取り組みをしており、組合員全員が、個々に業態変革プランを実行に移すための支援を検討していた。
  しかし、印刷の周辺事業は多岐に渡り、組合員の事業領域も設備も様々である。また、イノベーションへの対応経験が少なく、経営者自身が経営ビジョンをはっきり示すことが困難な状況となっていることから、変革への意識改革と、地域性を踏まえた変革ビジョン作成を目的に平成21年度、平成22度の2年に渡り、中小企業連携組織等支援事業を実施した

事業の活動内容

  今回の事業の最終的な目標は、個別企業が自社の業態変革プラン、すなわち経営計画を実行に移すことである。そのためには個別企業を支援する取り組みも同時に行うことが必要不可欠となる。
  そこで、中小企業団体中央会では個別企業を支援できる地域力連携拠点事業(平成22年度は中小企業応援センター事業)を併用するスキームを考案し、今回の事業に取り組むこととした。2年間にわたる事業の取り組み概要は次のとおりである。


①経営アンケートの実施 ~経営課題の把握~

 まずは、組合員企業の経営者および管理職、一般従業員を対象として経営アンケートを実施、28社から73通の回答が集まった。
   回答内容を、①顧客理解力、②顧客対応力、③市場理解力、④競争力(競争優位性)、⑤実行力(変革力)、⑥変革意識の6つの評価項目で精査した結果、全体平均では各評価項目に目立って落ち込んでいる項目は見当たらなかった。
  しかし、役職や会社規模で分類して集計すると、「中間管理職の変革意欲の低さから経営者に変革する意志があっても実行に至らない状況」や「小規模企業で情報収集に力を割くことができず、市場理解が進んでいない」などの課題が明らかとなった。


②セミナーの開催 ~新規事業計画の策定~

 経営アンケートにおける評価項目の能力向上を図るため、経営者や幹部候補を対象に全6回にわたるワークショップ形式のセミナーを開催した。
  セミナーでは、各企業が今後実施したいテーマを持参し、セミナー内で自社ビジネスとして事業に取り入れるための具体的な計画作成を行い、新事業展開の基礎作りを行った。


③個別のコンサルティング実施
  ~経営革新計画の策定~

 セミナー参加企業のうち申込みのあった企業に対し、地域力連携拠点事業を活用し、個別のコンサルティングを実施した。


④個別企業へのヒアリング実施 ~組合全体の課題抽出~

 2年目は、より裾野を広げて千葉県印刷工業組合の課題抽出を行うため、申込みのあった16社へ訪問し、ヒアリングを実施した。
  ヒアリングの結果、多くの企業が「技術は持っているのにマーケティング力が不足しているために、お客様への提案に活かせていない」という課題が明らかとなった。
  また、千葉県は東京にほど近い北西部と海や山に囲まれた南部ではマーケットや課題等が異なることも分かった。


⑤個別のコンサルティング実施 ~経営革新計画の策定~

 個別ヒアリング実施企業のうち申込みのあった企業に対し、中小企業応援センター事業を活用し、個別のコンサルティングを実施した。

事業の成果

  まずは、千葉県印刷工業組合へ地域性を踏まえた業態変革実現の方向性を提案できたことは一定の成果と言えよう。
  また、組合員企業ごとにスタートラインやゴールは異なるが、新事業領域に挑み、業態変革を実現するというベクトルは一致させることができた。実際に、組合員企業のうち3社では、経営革新計画を取る等、実行に向けて動き出しており、これら企業の取り組みが今後、組合全体へ好影響を与えていくことを期待したい。

今後の事業展開・展望

  最後に、組合員企業には次の3つの取り組みについて提案したい。 ①量産技術へのチャレンジ
  市場拡張性の高いプリンタブルエレクトロニクス市場を開拓する。 ②マーケティング支援の強化
  最適なマーケティングツールを提案し、顧客との信頼関係を強化。新たな周辺ビジネスを開拓する。 ③地域活性化の支援
  町おこし等の地域活性化を支援。各施策に必要な印刷・ITソリューションを提案する。
  印刷業界は縮小傾向であるものの、印刷による量産技術やコンテンツ市場は大きな広がりを見せている。組合員企業には、この機会を活かし新たな市場を創出していくことが求められている。(中小企業診断士 野々上 寛)


『中小企業ちば』平成23年4月号に掲載 (※内容・データ等は掲載時の物です)

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