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チャレンジ組合ちば 2013.02  千葉水産物仲卸協同組合

テーマ :組合ホームページを用いた組合活動の活性化について

補助事業名 平成23年度組合後継者等育成事業(青年部交流会)
対象組合等 千葉水産物仲卸協同組合
  ▼組合データ
  理事長 田谷 功
  住 所 千葉市美浜区高浜2-2-1
  設 立 昭和52 年1 月
  業 種 農畜産物・水産物卸売業
  会 員 42名(平成24年3月末現在)
担当部署 千葉県中小企業団体中央会 工業連携支援部(TEL 043-306-2427)
専門家 有限会社草の実工房すずき印刷 取締役 鈴木 宏治

背景と目的

  千葉水産物仲卸協同組合(以下組合)は、干葉市中央卸売市場(以下同市場)内に出店する魚介類を中心に扱う仲卸業者の組合である。
  千葉市による公設市場として昭和36年に千葉市問屋町に開設された後、需要の増大や施設の老朽化に伴い、昭和55年に稲毛海浜公園近くの湾岸地域に移設され現在に至っている。農産物を扱う青果部と、加工食品を扱う業者や飲食店等からなる関連棟、水産物部の3部門で構成されており、それぞれに事業協同組合が移設前後の時期に設立された。
  中央卸売市場は、千葉県内には同市場と船橋市中央卸売市場が存在し、生鮮食料品等の消費上特に重要な都市及びその周辺地域に、地方公共団体が農林水産省の認可を受けて開設しており、現在では全国44都市に72市場がある。
  同市場は卸売市場法および千葉市の業務規程に基づいて運営されており、一般商品とは異なり、鮮度が落ちやすく長期にわたる保存が難しい多種多様な生鮮食料品を主に扱っている。比較的一定化している需要面に対し、天候や生産状況の影響を受けやすく生産者と消費者との調和が困難な生鮮食料品の安定した価格が見込めない生産面を緩和するために、生産者と小売業者の仲立ちをすることが市場の設立目的と定義されている。日々の入荷数量・品質・天候及び消費者の動向を踏まえ、せり売、入札に際して商品の評価を行い公正な値段を決める価格形成(評価)機能があるが、流通システムや環境が変化していることは否めない。
  仲卸業は、卸売業者から仕入れ、小売店・飲食業者等に販売するのが昔ながらの主な業態である。
  しかし近年は、市場を介さない大型量販店・飲食店が増加しており、これに対抗すべく、各店独自では困難な、組合のスケールメリットと連携を活かした、インターネットによる情報発信を組合で行ってきた。


●東日本大震災で情報発信の速報化・多様化が求められ …

平成22年度に組合のホームページは開設されていたが、組合と同市場の紹介が主であり、各組合員によるタイムリーな情報発信の場とはなっていなかった。
  その中で起きた東日本大震災。物流の停滞、飲料水や食料品の売り切れ、原発事故による風評被害等々、時々刻々と変化する市場からの情報発信が同市場にも多く求められた。
  そこで、「市場を元気にする会」の若手メンバー(青年部)が中心となり、ホームページ委員会を再起動し、速報性と組合員自身からの情報発信が可能な新システム構築を目的に、後継者等育成事業として取り組んだ。

事業の活動内容

  本事業は、以下5つの活動を、全4回の委員会を開催し行った。


①組合ホームページの現状把握

組合ホームページは、同市場の紹介と組合員の各店舗紹介ページがメインコンテンツとなっていた。各店舗紹介は写真を中心に、各店毎に1ページ存在し、更新は組合事務局員により行われてきた。また一部の組合員は外部に自社ホームページを所有したり、楽天市場などの他サービスを利用して物販を行っている。第一回の委員会は、実際に組合員のページを改めて閲覧することによる現状把握からスタートした。


②他市場・他組合の動向調査

動向調査では日々変化している他市場や水産業者サイトのトレンドを把握することに務めた。
  本事業に参加した組合員には大きな特徴が2点あった。
  1つは、日頃は組合活動にあまり参加しない青年達が多く集まってきたこと。「親父じゃ解らないだろうから自分が来た」という事業承継予定者など、次世代の参加が目立った。
  WEBページに関する動向調査は出張による視察が不要で、比較検討が容易であるのは想像に難くない。そのため、勤務時間が未明から深夜まで多様な青年部員ながら、多数の参加で検討することが出来たのが2つ目の特徴であった。


③最新技術の検討と選定

 本事業に並行するように、スマートフォン(スマホ)が普及し始めた。同時に、パソコン・携帯電話・スマホの活用による柔軟な情報発信のシステムが多く生まれた黎明期でもあった。第二回の委員会では、最新機器への対応性に的を絞り、直感的に使え、多くの組合員が活用できそうなシステムを中心に試用・検討してブログの導入を決定し、CMS(コンテンツ管理システム)を選定した。CMS自体は、フリーウェアとして無料で高性能なものが多く公開されている。しかし、組合にあったスタイルにカスタマイズやデザイン変更をしなければならない部分は外部に制作を委託した。
  検討過程では、例えばブログと公式ホームページの違いについて等を講習した。店舗・会社概要のようなまとまった情報を「ストック情報」、ブログのような最新情報など常に流れていく情報を「フロー情報」と呼び、活用方法が異なり、それぞれを使い分けて活用すると効果的といった情報伝達に関する理論を学んだ。


④組合ブログ開設

 これまでのホームページの更新は、組合事務局員によるものであったため、一定の公開情報チェックが機能してきた。だが「速報性のある、組合員自身からの情報発信」という本来の目的をふまえ、全組合員にブログ投稿用のIDとパスワードを発行した。
  そこで第三回委員会では、投稿時のルール作りと、役員を中心とした運営管理分担、事務局への更新依頼マニュアル等を作成した。


⑤ブログ投稿の講習会

 開設当初は、本物と練習用で非公開の2つのブログを設置した。パソコンはもちろん、携帯やスマホからも写真などを手軽に投稿、閲覧できることを確認した。   25-02

事業の成果

  平成24年の組合ブログには、年間3万1千の来訪者数がカウントされた。一日あたり実数で90人近くに閲覧されている。
  同市場は、毎月第4土曜日に市民感謝デーというイベントを開催し、一般市民にも開放されており、イベント前後は特にアクセスが多い。開催予告とお買得情報を発信し、報告と来場御礼は写真付きで掲載。来場とブログ閲覧がリンクしているため、これだけの閲覧者数が持続されていると思われる。
 

今後の事業展開・展望

   ITは日々変わり続けている。本事業に取り組んだ平成23年は「ひとむかし前」になってしまった感は否めない。その後、ソフト面ではツイッター、フェイスブック、ライン、クラウド。ハード面ではiPad、タブレット端末など様々に変化し続けている。次に何が登場し、必要なのか?など、予測は困難であろう。
  一見、組合には無関係に思えるかもしれない。しかし組合として一番重要なことは、アンテナを高く張りめぐらし、老若男女の英知を集め、どんな変化にも対応できる体制づくりを日頃から行っておくことである。同市場には次の展開にいち早く対応できる組織が生まれつつある。(鈴木宏治)


『中小企業ちば』平成25年2月号に掲載 (※内容・データ等は掲載時の物です)

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