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チャレンジ組合ちば 2013.09  海匝銚子地域組合懇談会

テーマ :組合活性化への方策

補助事業名 平成24年度地域組合等活動支援事業
対象組合等 海匝銚子地域組合懇談会
  ▼参加組合
    銚子地区電気工事(協)、銚子管工事(協)、銚子水産加工蓮(協)、銚子網工(企)、銚子駅前商店街(振興)、銚子水産食品(協)、海匝ガス事業(協)、東総縫製事業(協)、(協)千葉県東総地区中小企業労務協会、サングリーン(協)、銚子貨物自動車運送事業(協)
担当部署 千葉県中小企業団体中央会 工業連携支援部(℡ 043-306-2427)
専門家 中小企業診断士 清水 透

背景と目的

 「組合員の組合離れ」ということが言われて久しい。こうした状況のなか、組合活性化の方策を探ることをテーマに本懇談会が開催された。
 懇談会の具体的な内容は「これから求められる組合の役割と組合運営について」であるが、懇談に先立ち、中小企業の組合の現状の役割とこれから求められる役割等について所感を述べた。その内容を紹介したのち、懇談の概要について報告したい。

組合の現状と役割

①これから求められる組合の役割

 組合に対してこれから求められる役割の第一は、相互鍛錬の勉強の場である。
 企業の価値が物的価値から知的価値へ変化している中で、組合は組合員企業の無形の強み(知的価値)を可視化し、それを磨き上げるための相互鍛錬の場にならなければならない。
 第二に求められるのは、地域が抱える社会課題の解決である。地域貢献活動は組合員のための事業ではない、という見方もあるが、地域との関連の強い中小企業においては、これを無視することはできない。そして、単独で行うことよりも、組合で活動をする方が負担の分散が図れて有意義である。地域貢献の結果は、組合員の売上増加に直結するものではないが、長期的には組合員の地位を向上させる。


②相互鍛錬の場になる方法

 組合は、相互扶助を目的としている。この相互扶助は弱き者を助ける、という一方通行のものではなく、自立した者同士の「お互い様」の助け合いを意味する。それを少し進めて、組合の価値は相互鍛錬の切磋琢磨の場、と考えてはどうだろうか。
 京都試作ネットというグループは、ドラッカーの著作を勉強することから始め、今では全国から難易度の高い試作品の受注に成功している。目先のメリットを求めるのではなく、まず己を鍛える活動から始めたところに成功の秘訣があるように思う。
 相互鍛錬の方法としてドラッカーもよいが「知的資産経営」の勉強を薦めたい。経営者が集まって「相互鍛錬しよう!」と言ってもどうしたらよいかわからないから、まず、自分の企業の見えない価値=知的価値、の見える化、から始めるのがよいと思う。
 企業の価値は、物的なものから知的なものへ変化している。中小企業は昔から対面販売や熟練技術という見えない価値を強みとして商売してきた。その部分にスポットライトを当てて磨き上げようというのが「知的資産経営」である。この勉強をすることで、組合を相互鍛錬の場に変えることができる。


③地域貢献活動

 先ず、いくつか事例を紹介する。
☆災害復旧に関する契約を行政と締結している建設業の組合
☆施設の子供たちを一日ドライブへ招待する活動をしている個人タクシーの組合
☆遊休施設を創業のスペースとして開放している団地組合
☆防犯カメラの設置、公園・駐車場の管理に取り組み、安全・安心な街づくりに貢献している商店街
☆町の落書きを消すボランティア活動をしている塗装業組合
 これらの事例でわかるとおり、地域貢献活動は、中小企業が単独でやってもあまり効果はなく、組合で行うと注目を集められる事業である。
 電気工事業の組合がボランティアで街路樹にイルミネーションをつけていたら、市が予算をつけてくれて組合の共同受注事業になった、という話を先日聞いた。この例のように貢献活動がビジネスになることもある。そうならなくても地域との関わりを組合として持つのは長期的な効果が期待できる。
 ある商店街は、高齢者施設や障害者施設の買い物代行をしていた。あるとき、施設の職員から「ここの人たちが本当に望んでいるのは、買い物という行為そのものです」と言われ、施設のホールへ商店街を持ち込む「出張商店街」を始めた。この商店街は「出張商店街」以外にもいろいろな地域貢献活動を何十年も行っている。そのせいか、空き店舗がない。理事長は「たぶん地域活動がお得意さん作りになっているからだと思う」と言っている。
 「地域貢献したら何くれる?」というのではなく、貢献活動そのものを楽しむ姿勢が大事である。


④組合の財源確保策

 相互鍛錬の場にしても、地域貢献活動にしても、活動の資金が必要である。組合が資金を得る方法としては、受益者負担の使用料・手数料、全員から集める賦課金・出資金がある。これらは皆組合員から集めるお金である。
 不景気で組合員から集めるお金には限界がある。集めたとしても、見返りのメリットを求められると、どうしたらよいか悩む。
 だから、先ず、お金を減らさない工夫が必要である。組合の出資金は脱退者には払い戻さなければならない。会社の株とは違うのである。自己資本に分類されているが、借金に近い性格を持っている。減らさないためには、この払戻額をチェックする。特に組合として財産を持っている場合には、その財産の評価を正確に行わないと、払戻し過ぎている可能性がある。
 減らさない工夫をしたうえで、少しでも良いから稼ぎたい。組合員から稼ぐのが難しいとすれば、組合が、組合員以外を対象にして事業を展開して稼ぎたい。しかし、これが難しい。
 組合員以外からの資金稼ぎについて、全国的に、次のようなケースを認めてほしいという要望が出てきている。
☆共同施設を設置したときの借入金返済を員外利用制限を守って続けることが難しいので、一般の人に施設を賃貸したい。
☆老朽化した施設を取り壊し、跡地を組合員外に賃貸し、組合運営費を稼ぎたい。
☆工場団地なので空き地に太陽光パネルを設置して売電したい。省エネという国家プロジェクトに参加する事業だから認めてほしい。
 これ以外にも、組合員外から稼ぐことに関し、多くの事例が報告されている。現状では、組合は組合員のための存在だからという理由で制限されているが、もう少し制限を緩めてもらいたいものである。

懇談会の内容

 このあと懇談会に移った。そこでの発言の要旨を紹介する。
〇組合は氷河期ともいえる状況である。東日本大震災後、遠方の組合と災害協定も考えたりしたが、それが組合員のメリットになると言っても、直接的なものではなく組合員の脱退を止めるほどのものにはならない。
〇組合員の高齢化が進み、アンケートによると、就職希望の若者は初めに休日を質問してくる状況で、良い人材は確保しにくい。組合として官公需適格組合になっていて、若干の官公需の受注に成功しているのが唯一の明るい材料である。
〇企業組合なので組合員は組合の仕事に従事するタイプの組合である。仕事は組合の信用力があるので取れている。心配なのは組合員の高齢化である。
〇組合員は高級品の衣料を国内で生産している。外国人技能実習生に依存した経営であるが、斜陽産業であることは間違いない。
〇労働保険事務組合を行っている。組合員数は多く、比較的安定しているが、職員も役員も高齢化している。
〇運送業の組合である。ETCの共同利用事業の収入があるので比較的安定している。燃料等のコスト高で組合員の収益性は悪化している。組合員数は減少傾向にある。(清水 透)


『中小企業ちば』平成25年9月号に掲載 (※内容・データ等は掲載時の物です)

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