【問】
先日、決算関係書類を中央会に提出したのですが、財産目録と剰余金処分案を提出してほしいとの指摘を受けました。添付書類の内容に何かに不備があったのでしょうか。 |
【答】
組合から提出された認可行政庁への決算関係書類を拝見しますと、財産目録を作成していない組合や剰余金処分(又は損失の処理の方法)を記載した書面の代わりに株主資本等変動計算書を添付している組合を散見します。 まず、組合と会社の違いについてですが、一例として、組合は会社と違い、無制限の配当はありません。組合の目的は利益を追求することではなく、組合の事業を組合員が利用することが目的です。このように目的が違うため、開示する会計情報も変わってきますし、組合独特の会計処理もあるなど、組合法の決算関係書類と会社法の決算関係書類では違いがあります。 次に剰余金処分についてですが、06年からの新会社法では利益処分は決算の確定とは無関係となり、したがって利益処分案という制度は廃止されました。その結果、例えば株主配当は期中の臨時株主総会でも決議できるようになり(利益処分計算書の廃止)、一会計期間における純資産の部の変動状況を表す株主資本等変動計算書(会社計算規則第127条)の作成が新たに義務付けられました。 ところで、剰余金処分に関する注意点ですが、組合の定款をご覧いただくと、利益準備金と特別積立金として、それぞれ当期純利益金額の10分の1以上を積み立てなければならないと書かれていないでしょうか。その利益準備金は出資総額の1/2まで(定款によっては出資額総額まで)、特別積立金は出資総額まで積み立てて、損失のてん補に充てる場合を除いて切り崩してはならないと定められています。それ以外に定款には法定繰越金として、当期純利益金額の1/ 20以上を翌期に繰り越すように定めてあります。法定繰越金とは翌期に教育情報事業のためだけに使用するもので、他の積立金のように毎年積み増しできるものでなく、損失のてん補に充てることもできません。これらの積み立てや繰越金の計上は、剰余金処分で行います。そして、これらを計上後、組合員に配当を行うことができます。 剰余金処分案を作成するにあたっては、あらためて組合の定款をご確認いただき、定款に定められたとおりに利益準備金、特別積立金、法定繰越金の処理を忘れずに行って下さい。 |
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