1.協同組合の概要及び事業

(1)協同組合とは

 組合員企業の経営の近代化・合理化と経済的地位の改善向上を図るための組合です。事業は組合員の企業を支援・助成するための事業ならばほとんど全ての分野で実施できます。 組合の設立も4人以上集まればよく、気心の合う同じニーズを持った事業者だけで比較的自由に設立できますので、中小企業者にとって非常に設立しやすい組合として広く普及しており、最も代表的な組合です。   中小企業は、規模が小さいことにより経営上の様々な制約があり、個々の企業努力では解決困難な場合が多々あります。そのため、同じような立場にある中小企業同士で組合をつくり、互いに協力・助け合い、事業経営を充実・強化していくことが最も効果的です。

(2)協同組合の基準と原則

 組合には備えておかなければならない基準と運営上守るべき原則があります。
基 準
原 則
@相互扶助目的
組合は、組合員の相互扶助を目的とする。
@直接奉仕の原則
組合事業は直接組合員に効果を与えるもの。(員外利用の制限)
A加入・脱退の自由
組合への加入及び脱退は任意である。
A政治的中立の原則
特定の政党のために利用してはならない。
B議決権、選挙権の平等
出資口数にかかわらず平等であること。
 
C剰余金配当の基準
・利用分量配当
・出資配当(年1割以内)
 

(3)事業の効果とメニュー

 組合が実施可能な事業は広範囲でしかも多岐にわたっています。その選択にあたっては、組合の設立趣旨、組合員の業種、業界の情勢、組合規模(組合員数、資金力等)その他諸般の情勢を勘案して慎重に検討し、具体的に定めて下さい。 なお、組合の事業は、組合の事業を補完するためのものであり、組合員を介在せず、独自の事業(自営事業)を行うことはできません。事業の効果とメニュー

(4)組合事業の種類

@共同生産加工事業

 この事業は、組合が、新鋭設備等を導入した生産・加工設備を持って、組合員の委託等によって生産・加工する事業です。これによって、原価の引下げ、規格の統一、品質の向上、設備の効率化などの効果があげられます。

A共同購買事業

 組合員の事業上の必要物資を、取纏め購入し、組合員に提供する事業です。これによって、入手価格の引下げ、代金決済条件など取引条件の改善、規格、品質の均一化などの効果があげられるほか、原材料等が入手困難な場合には入手し易くなります。

B共同販売事業

 組合員の生産品等を取纏め販売する事業ですが、これによって、価格・決済条件などが有利になるほか、大口需要先の開拓など販路の拡張が図れます。また、乱売防止にも効果があるほか、現金化が長期化する場合においては組合での資金手当により、組合員の資金繰りの緩和が図れます。

C共同受注事業

 組合が注文を受け、組合員に下請けなどをさせ組合が納品する事業ですが、組合員に受注を斡旋する方法もあります。これによって、大口受注先の開拓など販路の拡張や取引条件の改善が図れます。また、本事業は、組合員事業の有機的結合あるいは組合における組立作業の実施などを加えることによって、単一加工品の受注から部品受注へ、更には完成品受注へと付加価値の高いものを受注する途が開けるなどの効果もあります。

D共同保管事業

 倉庫等を設け組合員の在庫品等を保管する事業ですが、保管経費の引下げ、製品の保全、施設難の解消等が図れるほか、下請業種等の場合は製品の納期の遵守にも役立ちます。特に、本事業は、腐敗・変質のおそれのあるもの、危険性のあるもので、保管に特別の技術・設備を要する場合などに効果的です。

E共同配送事業

 組合員の商品等の運搬を共同で行う事業ですが、組合が運搬車両を保有して行うほか、特定の運送会社に委託する方法などもあります。この事業は、運搬経費の引下げ、運搬物の保全をねらいとしていますが、貨物量が多く、運搬に特別の注意が必要とされ、または運搬距離が長い場合などに行います。

F共同検査事業

 組合員の製品、設備、原材料などを検査する事業ですが、これにより、品質の維持・改善、規格の統一・製品の声価の高揚などが図れます。検査の方法は、組合が直接検査するほか、公設試験研究機関に委託する方法もあります。

G共同研究開発事業

 組合員の事業上の一定の課題について試験研究を行い、組合員の製品・技術・意匠などの改良・改善・開発等を行います。実施方法は、組合が試験研究施設を設置するなどして自ら行う方法と、公設試験研究機関に委託する方法とがあります。

H販売促進事業

 共同販売事業など多くの事業が販売促進に役立ちますが、販売促進を直接の目的とする事業としては、次のような事業があります。いずれも、中小企業者個々では、採算が合わないとか、品揃えができないなどの理由で実施し難く、実施しても効果があまり期待できませんが、共同によってこれを可能とする事業です。
  イ.共同宣伝・広告
  ロ.見本市・展示会の開催
  ハ.市場の調査
  ニ.共同マークの制定
  ホ.共同売出し
  ヘ.環境整備

I共同利用事業

 機械・工具、試験設備、運搬設備、会議室等を設置し、これらの施設を組合員に利用させる事業ですが、組合員に貸与する方法と、組合に来て利用して貰う方法とがあります。これによって、新鋭機械など組合員の導入困難な施設等の利用が可能となるとともに、経費の節減が図れます。

J金融事業

 組合員の事業資金の調達を目的とする事業です。組合が金融機関から資金を借り入れ、これを組合員に貸し出す方法と組合員が金融機関から直接借り入れる際に組合が保証する方法があります。又、組合と組合員のための専門金融機関として(株)商工組合中央金庫があります。

K教育情報事業

 組合員の経営、技術の改善向上を図るために、講習会や研究会を開催します。また組合員の経営に役立つ需要動向、技術情報、業界情報、経営管理情報等を収集し、組合員に提供する事業です。また組合の共同事業に役立つ情報の収集や組合をPRするための情報を組合員や関係方面へ提供することも組合の情報化事業として大切な分野です。なお、最近では、コンピュータなど情報機器を導入して情報提供を活発に展開している組合も多くみられます。

L人材養成事業

 組合員をはじめ、その後継者、組合員企業の管理者などを対象に計画的・体系的に教育研修を行うことによって人材を養成する事業です。人材養成は、企業経営の基本をなすものですが、特に、最近では、情報力、技術力、マーケティング力等のソフトな経営資源の充実を図る必要から、この事業の重要性が一層高まっています。

M共同労務管理事業

 組合員の従業員の確保・定着あるいは能力の向上を図るため、組合員の労務管理の一部を共同で行う事業ですが、次のように各種のものがあります。
イ.従業員の確保関係では、集団求人、労働条件の改善(賃金・労働時間・休日の協定など)、安全・衛生面の改善(安全衛生知識の普及、安全用具の共同購入、安全衛生パトロールなど)、福利厚生面の向上(共同宿舎・持家、共同給食、共同保養施設、共同文化・体育・教養施設、生命・傷害等に対する共済、生活資金貸付など)。
ロ.従業員の能力向上面では、技能等について教育・訓練。
ハ.その他、労働保険の事務代行(労働保険事務組合になれる。)など。

N福利厚生事業

 主として組合員の私生活面の利益を増進するための事業ですが、慶弔金の給付、健康診断、生活用品の共同購入、文化、体育などのリクリエーション活動その他があります。なお、本事業は、組合員の融和、組合参加意識・強調性の高揚等に効果のある事業でもあります。

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組合設立・創業サポート CONTENT

I. 協同組合の設立について

1.協同組合の概要及び事業
  (1)協同組合とは
  (2)協同組合の基準と原則
  (3)事業の効果とメニュー
  (4)組合事業の種類
2.協同組合と一般社団、
     NPO法人等との違い

3.協同組合の設立手続き
  (1)発起人の選定
  (2)定款の作成
  (3)事業計画・収支予算の作成
  (4)同意者名簿の作成
  (5)事前協議(行政庁)の実施
  (6)創立総会の開催
  (7)認可申請
  (8)設立登記
4.発起人の仕事
  (1)創立総会までの
      発起人の仕事には

  (2)発起人が設立組合に
      向けて検討すべき事項

  (3)創立総会の運営
  (4)認可申請書の作成と申請
  (5)理事への事務引継ぎ
5.設立に関してよくある質問

II. 企業組合の設立について

1.企業組合の概要及び事業
  (1)企業組合とは
  (2)企業組合の特色
  (3)企業組合のメリット
  (4)企業組合の事業
2.企業組合とNPO法人、
       会社等との違い

3.企業組合設立手続
  (1)発起人の選定
  (2)定款の作成
  (3)事業計画・収支予算の作成
  (4)同意者名簿の作成
  (5)事前協議(行政庁の実施
  (6)創立総会の開催
  (7)認可申請
  (8)設立登記
4.発起人の仕事
  (1)創立総会までの
      発起人の仕事には

  (2)発起人が設立組合に
      向けて検討すべき事項

  (3)創立総会の運営
  (4)認可申請書の作成と申請
  (5)理事への事務引継ぎ
5.設立に関してよくある質問

III. 組合支援策及び先進事例

1.組合に対する支援策等
2.先進事例
  (1)県内の協同組合
  (2)県内の企業組合
  (3)チャレンジ組合

共同生産加工事業 共同購買事業 共同販売事業 共同受注事業 共同保管事業 共同配送事業 共同検査事業 共同研究開発事業 販売促進事業 共同利用事業 金融事業 教育情報事業 人材養成事業 共同労務管理事業 福利厚生事業