チャレンジ組合ちば

テーマ : BCP ( 事業継続計画 ) を策定する

補助事業名 平成24年度組合後継者等育成事業(青年部研究会
対象組合等 船橋総合卸商業団地協同組合
  ▼組合データ
  理事長 飯ケ谷 岐美夫
  住 所 船橋市高瀬町 62-2
  設 立 昭和52年12月
  業 種 卸売業
  会 員 28人(平成25年4月現在)
担当部署 千葉県中小企業団体中央会 工業連携支援部(TEL 043-306-2427
専門家 齋藤塾危機管理勉強会 塾長 齋藤 實

背景と活動の経過

 船橋総合卸商業団地協同組合は、船橋市高瀬町にある卸売団地内にある協同組合で、平成23 年3月の東日本大震災では、震度5強の地震による液状化の影響で、建物本体には被害はなかったものの、荷捌き場との間に段差が生じるとともに、下水が使用できなくなるなどの被害が発生した。
 そこで、同組合青年部が発展改組した「船橋卸団地共同体」が、24年度に中央会の補助事業を受け、25年度は組合独自事業として、BCP策定に関して4回の研修会を開催したものである。
 研修会は、小グループに分けてのワークショップを主体に行い、自ら考え、共に学ぶ内容とした。その概要は、次のとおりである。
★第1回(24年9月19日)
  講演会:切迫する大震災への備え、今、私たちにできる減災対策
★第2回(24年10月18日)ワークショップ
  @ 東日本大震災を振り返り、新たな対策を講じたか
  A大震災に備えた事前対策
  B 震災後、30分以内の行動を考える
★第3回(25年9月11日)ワークショップテーマ
  @モデルとなる企業の確定
  A中核となる事業を考える
  B事業活動に必要な資源の整理
  C大震災時の被害状況の整理
  D事業の復旧目標時間を考える 
★第4回(25年10月9日)ワークショップ
  @事前対策を考える
  A企業の資金繰りを考える

研修結果の概要


@BCP策定の必要性
 BCP(business continuity plan・事業継続計画)とは、災害等が発生した場合、円滑に事業継続するため、限られた人員や資器材のなかで、どの業務を優先して行うか、いつまでに復旧するかなどを、事前に定めておく計画のことである。
 東日本大震災の教訓として、多くの企業でBCPが機能しなかったといわれたが、今後は「想定外」では済まされない事態になってきている。
ABCP策定のポイント
 BCP策定に当たっては、次の三点を考えることが重要である。
@ 経営者は、どのような災害に見舞われても絶対に死なないこと
A お客様と従業員の安全を確保すること
 また、齋藤塾流「実践的なBCP策定のポイント」を示すと、次のとおりである。
  ○トップダウンで指示、多くの関係者が論議する
  ○まず、対策と目標を決める
  ○BCPはできるところから作成する
  ○はじめから完成版を求めない
  ○原則、1事項につき、A41枚シンプルで分かりやすいものに

Bワークショップによる討議
 地震は、突然発生するもので、その発生場所や発生時間も異なるし、被害の規模も周辺の状況も分かりません。また、停電になり、連絡しようにも電話は使用できない状況になる。
 このため、地震発生直後は、何よりも自らの安全を確保することが最優先となり、その後、お客様と従業員の安全確保と、建物や施設設備等の被害状況の把握の順に、行われる。事実、社長である対策本部長(または代行者)が参集し、対策本部会議が開催されるまでには、少なくとも30分以上かかり、この30分の行動が明暗を分けるといっても過言ではない。そこで、参加者による討議で、地震発生後の30分以内の行動等について討議した。
 討議状況は次表のとおりである。
CBCPの内容を具体的に検討 
 25年度に実施した2回の研修では、BCPを具体的に策定するため、モデルとなる企業規模・業種等を具体的に定め、災害時に優先する中核事業や復旧目標時間に加え、地震発生時の資金繰りについて検討した。
★モデル企業の概要
  ○事務機器・文具等の卸売業
  ○従業員 20名
  ○売上 4億円
  ○車両 12台
  ○仕入先 15社、納入先400社
  ○直販比率 50%
★想定される災害の規模等 
  ○首都直下地震を想定、当地の震度6強
  ○電気と通信は3日目に復旧
  ○交通機関、道路等の復旧状況も検討
★災害時に優先する中核事業
  ○事務用品、トナー等の配送
  ○事務機器の保守
★復旧目標時間
  ○当日:従業員の安否確認
  ○3日目まで:従業員の確保、車両・ガソリンの確保、仕入れ先や配送先の状況確認、
   在庫の確認、商品調達、周辺の道路状況の確認
  ○4日目:配送業務開始
★平常時の毎月の資金繰り
  ○売上げ 約2千5百万〜4千万円
  ○仕入れ 約1千7百万〜3千万円
  ○固定経費(人件費、車両、建物維持等)約700万円
D必要となる事前対策
モデル企業における事前対策と資金繰り対策について、ワークショップでの討議結果は、次のとおりである。
★主な事前対策
  ○緊急時の連絡先リストの作成
  ○ 緊急時に必要な商品が納品できるような体制の整備
  ○納品先の担当者リストの作成
  ○必要な食糧・備品類の備蓄
  ○システムのバックアップ
  ○従業員への事前対策の周知
  ○金融機関との良好な関係
★資金繰り対策
  ○ 地震発生月に約4000万円の資金が必要(復旧工事、在庫の損傷、売上金の未収等)
  ○緊急資金の借入れ
  ○借入金の返済猶予

事業の成果と今後の課題

 2年度にわたる4回の研修の結果、地震への備えとしての事前対策の必要性が認識された。
 その結果、出来るところから必要な対策を実施したり、実情に即したBCP策定に取組まれている企業もある。
今後は、各社の取組状況の交流を図るとともに、協同組合として組合員企業を支援するための「組合のBCP」の策定が望まれる。(齋藤 實)


『中小企業ちば』平成25年11月号に掲載 (※内容・データ等は掲載時の物です)

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バナースペース

組合設立・創業サポート CONTENT

I. 協同組合の設立について

1.協同組合の概要及び事業
  (1)協同組合とは
  (2)協同組合の基準と原則
  (3)事業の効果とメニュー
  (4)組合事業の種類
2.協同組合と一般社団、
     NPO法人等との違い

3.協同組合の設立手続き
  (1)発起人の選定
  (2)定款の作成
  (3)事業計画・収支予算の作成
  (4)同意者名簿の作成
  (5)事前協議(行政庁)の実施
  (6)創立総会の開催
  (7)認可申請
  (8)設立登記
4.発起人の仕事
  (1)創立総会までの
      発起人の仕事には

  (2)発起人が設立組合に
      向けて検討すべき事項

  (3)創立総会の運営
  (4)認可申請書の作成と申請
  (5)理事への事務引継ぎ
5.設立に関してよくある質問

II. 企業組合の設立について

1.企業組合の概要及び事業
  (1)企業組合とは
  (2)企業組合の特色
  (3)企業組合のメリット
  (4)企業組合の事業
2.企業組合とNPO法人、
       会社等との違い

3.企業組合設立手続
  (1)発起人の選定
  (2)定款の作成
  (3)事業計画・収支予算の作成
  (4)同意者名簿の作成
  (5)事前協議(行政庁の実施
  (6)創立総会の開催
  (7)認可申請
  (8)設立登記
4.発起人の仕事
  (1)創立総会までの
      発起人の仕事には

  (2)発起人が設立組合に
      向けて検討すべき事項

  (3)創立総会の運営
  (4)認可申請書の作成と申請
  (5)理事への事務引継ぎ
5.設立に関してよくある質問

III. 組合支援策及び先進事例

1.組合に対する支援策等
2.先進事例
  (1)県内の協同組合
  (2)県内の企業組合
  (3)チャレンジ組合