チャレンジ組合ちば

テーマ :事業承継・実践セミナー

補助事業名 連携組織活性化研究会
対象組合等 千葉県建設防水工事業協同組合 青年部
  ▼組合データ
  理事長 糠信 雄司
  住 所 千葉市中央区中央4-14-1千葉不動産ビル2階
  設 立 平成3年7月
  業 種 防水工事業
  会 員 40名
担当部署 千葉県中小企業団体中央会 工業連携支援部(043-242-3277)
専門家 彩マネジメント研究所 長谷川勇(中小企業診断士・事業承継アドバイザー)

背景と目的

 日本の中小企業政策の重要な課題の一つが「事業承継」です。なぜ、事業承継が日本経済に取り重要な課題なのか。
  少子化の影響で、後継者がいない。子息子女はいても、家業意識の低下で、家業を継がずに他の職業に従事する。家業を継ぐ意思はあるが、経営状態が思わしくなく家業を継ぎたくない・継がせたくない等が生じています。
  このような環境で、子息子女が家業を承継する割合は、二十年前の八十%から直近では四十%に減少しています。後継者がいないため、廃業する企業も増加しています。この傾向は、今後とも継続されることが予想されます。経済のグローバル化は、若者の目を世界に向けさせ、事業承継にも影を落とすことになります。
  サプライチェーンを構成する中小企業の減少は、地域経済に悪影響を与えるだけでなく、大企業の経営基盤も損ないます。
  事業承継を円滑に進めることは、一企業の存続の問題だけでなく、サプライチェーンを維持し、地域の雇用を確保し、地域経済を活性化することになります。

事業の活動内容


@研修セミナーの概要
 三月二日と三月二十五日に各二時間、合計四時間にわたり研修をしました。
  事業承継・実践セミナーは、四時間コースで構成されていますが、希望により二時間コースも開催しています。今回の青年部の研修セミナーは、四時間と密度の高い研修になりました。
  事業承継の内容を大きく分けると、資産の承継と経営の承継になります。
  資産の承継は、土地・機械設備などの不動産と株式などのモノとカネの承継に該当します。一般的に、事業承継といいますと、資産をどのように承継するかと理解され、セミナー講師は税理士や公認会計士が担当しています。その内容は、相続対策です。
  経営の承継は、ヒトの承継・現経営者から後継者にいかにして円滑にバトンタッチをするかが基本的テーマになります。ヒトは単に後継者だけでなく、後継者を支える次期幹部候補も含まれます。
  子息子女がいても、経営を引継ぎたくない事例が多い現状では、いかにして後継者に選ばれる企業にするかも重要なテーマです。経営そのものをいかに革新するかも、後継者に選ばれるポイントですから、経営承継は、経営コンサルタントである中小企業診断士が担当する分野です。
A経営者の課題は経営承継
 経営者が頭を悩ます事業承継の課題は、経営承継のテーマである後継者の教育、従業員の支持・理解、後継者候補の確保などが上位を占めています。資産の承継である相続税対策や株式の後継者への集中などは下位を占めるに過ぎません。  経営者の事業承継に関する認識は、相続(税)対策でなく、経営承継にあることは明らかです。経営承継が円滑に進むことにより、はじめて相続(税)にたどり着くのです。
B後継者の教育
 「企業は経営者の器以上に大きくならない」を、多くの経営者は実感しています。教育とは、文字通り「教え」て「育てる」ことです。今回の研修も、後継者教育の一環です。
  学校教育と異なり、実務者を対象とする教育は、経営に直結する教育です。座学は気付きの場であり、実践教育は企業の中で行われます。
  経営革新計画の認証を受けた経営者の共通の感想は、経営革新計画を作ることで、自社の実態を客観的に認識し、将来に向けての足がかりが得られたとのことです。後継者や次期幹部候補を含めて、中期経営計画を作成することが実践的教育になります。
C従業員の支持・理解
 経営は、経営者個人の力だけで成り立つものではありません。後継者が企業を維持・発展させるには、従業員・金融機関・仕入先・販売先の支持と理解を得られることが必要です。
  その中で最も重要なのは、番頭格を含めた次期幹部候補です。後継者の教育は、次期幹部候補を含めた教育と考える必要があります。経営革新計画を含めた中期経営計画つくりは、次期幹部候補も参加して将来の夢を共有することが肝要です。
D後継者候補の確保
 後継者に恵まれるためには、後継者候補に選ばれる企業にしなければなりません。後継者に選ばれるためには、たとえ現状は苦しくても、磨きをかけて将来に光の見える企業にすることが現経営者に求められています。
  長寿企業に育てるために、絶えざる経営革新で後継者にとり魅力ある企業に育てあげ、後継者にバトンタッチをすることが経営者の最後の卒業論文です。
Eヒト・モノ・カネのバランス
 後継者に魅力のある企業は、経営資源の3要素であるヒト・モノ・カネのバランスのとれた企業です。モノを上手に活用するのはヒトです。カネを効果的に運用するのもヒトです。「企業はヒトなり」とは、まさに金言でしょう。
  研修内容の多くを、人材(後継者・次期幹部候補・一般従業員)に割いています。外部のセミナーに、経営者一人で参加して、当社に人材がいないと嘆く経営者が多いのには驚かされます。
  今回のセミナーに、後継者と共に従業員も参加された企業の将来は明るいでしょう。後継者と従業員の知識と経験の相乗効果で、「経営者の器以上の企業」になること疑いなしです。

事業の成果

  研修は、二日四時間にわたりお話しをしましたが、テーマを列挙しますと次の通りです。@早期着手・長期計画が成功のポイントA事例が語る事業承継の落とし穴B計画的な後継者の選定C従業員・外部人材への事業承継DM&Aによる経営承継E中期経営計画つくりで後継者・幹部候補の育成F後継者のための経営基盤の強化G従業員持株制度の導入H種類株式制度の活用による経営基盤の安定化I経営承継による経営革新の推進などです。
  今回のセミナーは、青年部の研修会で、後継者が確定している企業です。セミナーの構成は、経営者が後継者にどのようにして経営権のバトンタッチをするかで構成されています。
  内容は、いかにして後継者に魅力のある企業にするかですから、後継者が経営者としての自覚と気づきが得られるように進められました。

今後の事業展開・展望

  実務者向けの研修は、単なる知識として終わらせるのではなく、実務に応用してはじめて価値があります。セミナーを受講された後継者は、経営者と一緒にセミナー資料をチェックシートとして利用して、経営承継の進行状況を確認しましょう。
  まだ実行されていない項目がありましたら、今後の実行プランを作り実行しますと、経営権をバトンタッチするころには、後継者になって良かったと実感できる企業に成長しています。(中小企業診断士 長谷川勇)

『中小企業ちば』平成23年10月号に掲載 (※内容・データ等は掲載時の物です)

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バナースペース

組合設立・創業サポート CONTENT

I. 協同組合の設立について

1.協同組合の概要及び事業
  (1)協同組合とは
  (2)協同組合の基準と原則
  (3)事業の効果とメニュー
  (4)組合事業の種類
2.協同組合と一般社団、
     NPO法人等との違い

3.協同組合の設立手続き
  (1)発起人の選定
  (2)定款の作成
  (3)事業計画・収支予算の作成
  (4)同意者名簿の作成
  (5)事前協議(行政庁)の実施
  (6)創立総会の開催
  (7)認可申請
  (8)設立登記
4.発起人の仕事
  (1)創立総会までの
      発起人の仕事には

  (2)発起人が設立組合に
      向けて検討すべき事項

  (3)創立総会の運営
  (4)認可申請書の作成と申請
  (5)理事への事務引継ぎ
5.設立に関してよくある質問 II. 企業組合の設立について

1.企業組合の概要及び事業
  (1)企業組合とは
  (2)企業組合の特色
  (3)企業組合のメリット
  (4)企業組合の事業
2.企業組合とNPO法人、
       会社等との違い

3.企業組合設立手続
  (1)発起人の選定
  (2)定款の作成
  (3)事業計画・収支予算の作成
  (4)同意者名簿の作成
  (5)事前協議(行政庁の実施
  (6)創立総会の開催
  (7)認可申請
  (8)設立登記
4.発起人の仕事
  (1)創立総会までの
      発起人の仕事には

  (2)発起人が設立組合に
      向けて検討すべき事項

  (3)創立総会の運営
  (4)認可申請書の作成と申請
  (5)理事への事務引継ぎ
5.設立に関してよくある質問 III. 組合支援策及び先進事例

1.組合に対する支援策等
2.先進事例
  (1)県内の協同組合
  (2)県内の企業組合
  (3)チャレンジ組合