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チャレンジ組合ちば 2016.02  協同組合野田ショッピングセンター

テーマ : 個店の活性化・売上の向上を目的とした個店別改善策の研究

補助事業名 平成26年度組合等新分野開拓支援事業
対象組合等 協同組合野田ショッピングセンター
  ▼組合データ
  理事長 小林 明雄
  住 所 野田市中根36-1
  設 立 平成 元 年 2 月
  業 種 小売業、飲食業中心の異業種
  組合員 13人
担当部署 千葉県中小企業団体中央会 商業連携支援部(℡ 043-306-3284)
専門家 Go West 経営コンサルタント事務所 所長 西 真一

背景と目的

 野田ショッピングセンターは、イオンノア店に出店している専門店の組合である。開店は平成元年であり、既に27年を経た店舗は、柏や流山など周辺地域の競合店の増加もあり、厳しい市場環境となっている。
 専門店街に来てくれる固定客は多かったが、組合員の高齢化とともに、固定客の高齢化も顕著で自然減少が進み専門店各店舗の売り上げも伸び悩んでいた。
 組合でも、様々なイベントや勉強会を行い活性化を図ってはいたが芳しい効果は得られていなかった。また、組合へ参加する専門店の数も減少しており、組合員の定例会への参加人数も減少し、組合の活性が年々失われつつあった。
 そんな折、小林理事長は、組合の活性が失われつつあるのは店主たちの高齢化と新しく入れ替わって出店した人たちの組合離れが進んでいることもあるが、組合を構成する個別店舗の経営状態が固定客の減少とともに悪化していることも大きな原因となっていることに気付いた。そこで、組合として個別店舗の経営を改善するサービスを実施し組合員の経営を改善していかなければ組合の活性化は無いと考え、個店経営改善による組合の活性化を目的とした、専門家派遣による経営相談を行うことになった。

事業の活動内容

 ①事業推進の方法

 当事業では、組合員から相談者を募り、それらの店舗の経営者を対象として、3回から4回程度の我々中小企業診断士と経営者のマンツーマンによる相談会を行おうというものである。
 相談者を募ったものの、まとまった数の相談者は現れなかった。店舗経営者として、その経営状態を他人に教えることにかなりの抵抗があるようである。
 当初は計画したわけではないが、最初の相談者の口コミによって相談者を拡大していくという方法で、事業を実施していくことになる。

 ②個店経営相談会の実施

 結果的に、相談者は5店舗、其のうち私は4社を担当した。
 最初にA.高級婦人靴店、次に、B. 呉服店、C. 眼鏡店、D.化粧品店の順番に、時期を重ねながら対応した。

 ③周辺環境情報の提供

 公開されている人口分布データを使用し、対象店舗の顧客層と思われる分布を示した。

 ④店舗経営者から課題のヒアリングと提案

 各店舗の経営者からは、課題のヒアリングを行った。
A.高級婦人靴
 店主のファッションセンス、商品の選択眼は素晴らしいものがあるが、問屋から勧められて仕入れたものが売れ残っているようだった。そのため、仕入れについては店主のセンスで選んだものだけにするべきである旨を伝えた。また、この店舗には品揃えと陳列など、この他にも幾つもの強みがあったが、その強みを伝え、店主の選択が正しいことを伝えた。
 固定客になる人たちは店主の進める靴に絶対の信頼を置くきっかけになる体験があるようである。また、固定客となるもう一つの理由は、靴以外の小物など安価な商品も取り揃えており、気軽に話に来ることができるということである。
 すなわち、この店舗の店主が提供している顧客価値は、店主の類まれな顧客にあった商品を選ぶファッションセンスをもとにした、靴の選択に関する絶対の安心感と、楽しい話ができる時間と空間の提供であった。
B.呉服店
 年々減少する売上が問題点である。
 店主の認識では着物離れが進んでいるとのことであったが、ネットで調査をしてみると、呉服の需要そのものは増加していた。
 業態の内訳をみると、Webサイトでの販売に限定している業態と、和装着物教室とタイアップしている業態で売り上げが大きく伸びていた。 近隣地域には多くの客層が居住していることをオープンデータを利用して示し、これらのターゲットに訴求するプロモーションを行えば、売り上げの上昇につながることを提案した。
 加えて、客単価を増やしたり、和装を好きになるきっかけになるような小物の販売についても近隣の製作者の場所貸という方法で行ってはどうかと提案した。後日この店舗では着付け教室を行われたようである
C.眼鏡店
 在庫の縮小が課題ではあったが、店主の都合で支援は中断した。
D.化粧品店
 メーカー化粧品の場合、特定ブランドを購入するということは、そのブランドのすべての商品を購入するということのようである。化粧品には、同じブランドでも売れ商品があり、まとめて購入すると売れ残る可能性が大きい。まして、数の出ないブランドを扱うと、赤字にとなることを、店主からお聞きした数字をもとに、数字で示し売り上げの少ないブランドの取り扱い中止を提案した。

事業の成果

 後日、ヒアリングを行ったところ、私の担当したC眼鏡店以外の3店舗については、対前年度でプラスになっており、経営成績は改善したようである。

今後の事業展開・展望

 今回経営相談会を開いてみてわかったことは、対応した大部分の店舗がちょっとした改善を行うことで経営状態は改善する可能性をもつことである。
 一部の組合では組合離れが進んでいることを聞いているが、商店街支援策の多くがイベントやトイレ設置など全体の利益に集中しており、個店にとって直接的にメリットを感じられるものがないことが、組合離れの要因の一つではないかという印象を受けている。また、以前のように、人を呼べば売り上げが上がる時代でもなく、小売店等の抱える経営上の問題は、それぞれの店舗で全て異なるのではないかと推定している。
 そのため、個店の経営改善のための今回のような相談会を継続して行うことは、一定の商店街活性化の効果を得られるのではないかと思う。
 商店街の支援の中に個店の経営相談は殆どない。
 イベントなどの集客支援や、地域セキュリティ向上や商店街の価値向上のためのトイレ設置や監視カメラ設置が支援策のほとんどである。経済産業省や自治体の支援として、個店の経営改善相談を支援メニューに追加して頂ければ、より効果的でバランスの取れた支援策を構成できるのではないかと考えている。(西 真一)


『中小企業ちば』平成28年2月号に掲載 (※内容・データ等は掲載時の物です)

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