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連携組織の活性化・共同事業等に意欲的に取り組んでいる県内の組合事例のご紹介


テーマ : 富士見商店街活性化のための今後の事業展開について
       〜商店街が実施するイベントの検討〜
補助事業名 平成24年度連携組織活性化研究会
対象組合等 富士見商店街協同組合
  ▼組合データ
  理事長 藤間 健史
  住 所 千葉市中央区富士見2-8-5
  設 立 平成17年
  業 種 卸売・小売業
  会 員 62人
担当部署 千葉県中小企業団体中央会 商業連携支援部( 043-306-3284)
専門家 Drops 主宰 西田 直海(千葉大学 非常勤講師)
 
背景と目的

 

 千葉市の中心市街地
 JR千葉駅一帯から県庁周辺に広がる市街地は、明治のはじめに、県庁が千葉町に置かれ、県内の政治・経済・文化の中心地、また交通の要衝として発展した。
 昭和二十年の空襲により、中心市街地の約7割を焼失したが、戦災復興事業によりいち早く、区画整理事業等が行われている。
 周辺には、千葉県庁や千葉県警察本部をはじめとする、行政機関が集中するとともに、百貨店や商店街、金融・保険関係機関などの多くの集積があり、多くの投資が行われてきた。さらに近年では千葉市美術館、きぼーる(子供交流ビジネス支援センターなどが入る複合施設)といった、文化施設が建設されている。


 富士見商店街の特徴
 この中心市街地でもっとも千葉駅に近い商店街が、富士見商店街である。商店街の中心である富士見本通りは、全長約二百七十mの直線道路で、一方通行の国道である。この通りは、千葉の中心市街地の中でも人の通りは多く、朝夕の通勤・通学の時間帯には多くの人が行きかう光景が見られる。
 商店街全体として、テナントの入れ替わりは激しいが、一階部分での空き店舗はほとんど見られない。店舗の特徴としては、各種携帯ショップ、宝石やアクセサリー、ファッション衣料(古着も含む)、飲食などが多く、全体の三分の一は、チェーン店が占めている。
 組合に加入しているのは、昔からの商店が多く、会員数は45、賛助会員は9となっている。
 周辺では、スナックやクラブなど夜の店が増加し、客引きなどが横行し、環境は必ずしも良好とはいえない。そこで、警察とも連携し、「富士見セーフティベル活動」など、地域の美化や防犯活動に積極的な取り組みがなされている。

事業の活動内容


ふるさと祭り参加への経緯
 中央区のふるさと祭りは、千葉市の中央公園及び近隣商店街で毎年十月に開催され、21回(二〇一三年、この年は悪天候のため中止)を数える。
 富士見商店街が、この祭りに参加を決断したのは、三年前(二〇一一年)となる。それまでは、栄町通り、千葉銀座通りを通行止めにし、それぞれ、楽市バザール&のみの市(栄町通り)、いい街ちばフリーマーケット(千葉銀座通り)が、ふるさと祭りと同時に開催されていた。
 富士見本通りでも、以前からこの通りを定期的に通行止めにし、来街者に富士見商店街としてのアピールを考えたいという議論がなされていた。
 ここで、通行止めに関しての懸案事項として、
 (1)国道(国道14号・千葉街道)であること
 (2)駐車場の営業者との兼ね合い
 (3)通行止めにかかる警備員の費用等が挙げられていた。
 二〇一一年、中央区役所、中央警察とのトップダウンで、ふるさと祭りでの通行止めが可能になるとの話が舞い込んだ。
 商店街としても、この機会を逃さず、次へつながるきっかけとしてとらえ、ふるさと祭りへの参加が決定された。

 

ハロウィンへの取り組み
 ハロウィンは、毎年十月三十一日に行われる、ヨーロッパを発祥とする祭り。もともとは秋の収穫を祝い、祖先の霊とともにやってくる魔女や悪霊を追い出す、日本のお盆のような意味合いがある行事だ。
近年は、欧米でも子どもたちの祭として親しまれている。特に、カボチャの中身をくりぬいた「ジャック・オーランタン」づくりや、子どもたちが仮装して、お菓子をもらうという風習は、日本にも受け入れられ、十月のイベントとして、広く定着した感がある。
 ちょうど、時期も十月、普段は若者や大人が多い通りだが、明るく楽しい演出をして、親子連れにも親しんでもらえるよう、富士見本通りを、ハロウィン通りにすることとなった。
 空間の演出は、歩道のボラードを利用し、二百体のジャック・オーランタンを取り付け、ハロウィンを盛り上げる。
 通りの三か所に、ジャズやポップスやハワイアン、大道芸や紙芝居などの披露できる場を用意した。
 ハロウィンにちなんだタトゥー(水シール)を無料で腕や顔に貼るサービスや、キャンデーの配布。
 巨大かぼちゃの重量当てコーナー、カボチャのランタンの手作り教室、富士見ウォンテッド(スタンプラリー)、そして、メインは仮装コンテスト。

 パフォーマンスはそれぞれのグループにお願いしたが、その他の企画から準備、実施に至るまで、商店街の関係者と、周辺大学の学生との協同で行った。


今後の事業展開・展望


 この事業は、商店街のソフト事業として位置づけられるが、膨大な準備時間を要しても、一日限りのイベントとなってしまうのが現状である。
 少なくとも、ハロウィンに絡めて十月の一ヵ月は、雰囲気を盛り上げるよう様々な工夫をし、来街者を促し、商店は、商品開発や新たなサービスに尽力するという好循環を促してこそ、ソフト事業と言える。しかし、通行止めの時間は限られ、通りの装飾も通行止めの解除と同時に撤去しなければならない。道路は車中心に物事が決められ、装飾さえも規制の対象となる。
 ハロウィンの通行止めを契機に、定期的な通行止めを望みたいが、そのたびに専門の警備員を置かなければならないなど、まず、予算の問題が浮上する。
 これからは、もっと大局的な発想がいるのではないだろうか。たとえば、富士見本通りを、歩行者専用空間または、広場とする。この広場全体のマネジメントをする事務局を置き、専従の人を雇う。そして、季節や行事ごと、極論すれば時間ごとに、まずは通過する人のニーズを探し出し、集客を促す仕組みを作り上げていく。そのことによって、各商店は自らの商売の邁進に集中することが出来る。その循環を作り出すためには、周辺すべての商店や事業所(CSRの一環として)は共同体としての運営費を負担する。商店組合は、本来の目的である、商店街内の交流を促し、協力体制を整える。
 他にも、志のある若者が創業できる仕組みを整え、商店街に新たな流れをつくるなど、構造的な改革に、知恵を絞り、汗をかくことが必要であろう。
 いずれにせよ、正解があるわけではない。
 模索しながら懸命に働く大人の背中を見たければ、商店街へ。商店街とは、そういうところであってほしい。(西田 直海)


『中小企業ちば』平成26年2月号に掲載 (※内容・データ等は掲載時の物です)
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