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連携組織の活性化・共同事業等に意欲的に取り組んでいる県内の組合事例のご紹介


テーマ : 「新規共同経済事業の構築について」
補助事業名 平成24年度組合等新分野開拓支援事業
対象組合等 流山市管工事協同組合
  ▼組合データ
  理事長 野口 清
  住 所 流山市加1-9-8
  設 立 昭和49 年10 月
  業 種 管工事業
  会 員 20人(平成24年6月現在)
担当部署 千葉県中小企業団体中央会 工業連携支援部( 043-306-2427)
専門家 野々上総合研究所 所長 野々上  寛(中小企業診断士)
 
背景と目的

 

 流山市管工事協同組合は昭和49年に、管工事の共同受注及び資材の共同購買事業等を実施すべく、流山市内に事業所を有する流山市指定水道工事店の登録業者により設立。近年では、組合員の設置工事に係る浄化槽の保守点検業務や管工事用資材の共同購買とともに、組合員の工事施工後の公道舗装復旧に係る共同工事事業の3つを経済事業の柱として組合運営を展開している。また、平成10年に組合員が100%出資して蒲ャ山水道センターを設立。流山市水道局からの受託による配水管の維持管理、漏水修理及び流山市管工事協同組合員等が施工した各家庭の給・排水管等の修理を一手に引き受け、流山市及び組合員の効率的な事業運営に寄与している。
 しかし、公共下水道の普及や公共工事の急激かつ大幅な減少、市外(または県外)業者との激しい価格競争等により、組合運営を支える3つの柱の事業規模は縮小傾向となっており、新規共同経済事業を含む組合事業の再構築が大きな課題となっている。
 こうした状況から、経営環境に即した組合事業の再構築について研究する目的で千葉県中小企業団体中央会の実施する平成24年度組合等新分野開拓支援事業に取り組むこととなった。



事業の活動内容


@新事業検討テーマの選定
 新規事業の検討という、曖昧なテーマからスタートしているため、建設産業の展望を含め、事業性のある分野を紹介しながら、進出可能又は検討余地のある分野を絞り込み、事業の可能性を模索することとした。事業性のある分野としては、@契約方式の変更、A新分野への進出、B新技術の導入、C海外進出を紹介。
 組合員が求めるものであり、個々の組合員では対応できないものを新事業として検討したいとの要望から、「小水力発電技術(新分野進出)」、「管工事業の海外進出」、「水質浄化等の新技術の導入」の3つについて掘り下げながら、組合事業の再構築について検討することとした。
A各テーマ別研究会の実施
【1】小水力発電技術
 実際にマイクロ水力発電装置を開発している企業にも参加いただき、水力発電装置の特徴や設置箇所、方法に関する情報提供を元に、事業性について検討した。@減圧弁設置場所にそのまま設置が可能であること、A組合員が設置し、組合がメンテナンスする連携体制が可能であることから、将来的に取り扱いは可能な商品ではあるが、流山市水道局に確認したところ、設置可能な場所がないことから、短期的な導入は断念することとした。ただし、今後、家庭でも発電可能な製品の登場も想定されるため、技術動向については注目していくこととした。
【2】海外進出
 水道事業の海外展開については、大きく(1)上下水道システム自体の販売・工事施行・コンサルティング、(2)浄水槽の販売・設置に分かれる。(1)については、国や地方自治体等によるトップセールスの下、関係機関や大手企業との連携が行われている。(2)については、独自での設置も可能であるが、@行政の予算が不足している、Aメンテナンス費用が払えない、B適正な法規制が整っていない、C製造、工事、メンテナンスの業界がないといった問題を抱えており、ローカライズや技術者育成、メンテナンス環境の整備といった課題をクリアしていく必要がある。
 日本でも高度経済成長期に3c(カラーTV、クーラー、カー)が三種の神器として普及した後に、インフラである下水道や浄化槽が普及してきた。従って、高度成長を継続している東南アジア等各国において、排水処理施設の普及は以前よりも増して経済的に実現性の高いものとなっている。
【3】水質浄化等の新技術導入
 本テーマの背景には、市のニーズとして、災害時の飲料水確保がある。災害時に有用性が確認された逆浸透膜(RO)浄水器について紹介。また、災害時用の技術として漏水検査技術や災害用トイレに関する情報提供を実施。また、国土交通省によって運営されているデータベースNETIS(新技術情報提供システム)の説明を行い、各事業者で活用可能な技術やデータベースの活用方法等を紹介した。
B組合事業の方向性について
 テーマ別研究会において、市の防災関連事業に関する需要が確認できた。流山市管工事協同組合は災害時においては、防災協定を締結している関係上、応急給水活動および復旧活動に携わる必要がある。流山市は他の自治体同様地域防災計画を策定しており、当該計画に基づき、組合は活動を支援するが、給水拠点が少ないことや、避難所運営に関する環境の未整備等課題が多く、実際の災害時において実効性が高いとはいえない状況である。
 先進的な自治体の取り組みを調査し、組合の防災計画における役割を明確にするとともに、実効性のある計画とするために、@補給水源の確保、A耐震性強化、B衛生的なトイレの設置に関する提案を行い、施行工事は組合員、保守を組合事業の新しい柱としていく方針とした。
 当該方針に従い、流山市水道局との意見交換会を開催。補給水源として、耐震性貯水槽や耐震井戸付貯水装置設置や浄水器の設置の必要性、各世帯における防災対策推進の必要性等の共通認識を確認した。今後、流山市水道局と連携し、防災対策に取り組んでいる流山市関係部門との調整を図り、補給水源関連の事業の受注につなげていく。また、災害用トイレシステムの導入、水道管路の耐震化についても提案を行い、受注を獲得するための活動を積極的に展開していく予定となっている。

事業の成果と展望


 事業の成果としては、@災害時に組合が果たす役割を明確にし、流山市等と連携しながら災害防止や災害時の給水や復旧活動に必要なインフラ整備、保守等を組合事業の新しい柱としていく方針を打ち出せたこと、A流山市の地域防災計画に事業要素を盛り込むために、市との意見調整を開始し、実際に動き始めたことと考える。
 今後は、流山市水道局と連携した意見交換の実施に加え、地域住民を交えたワークショップを開催するなど、市民の声を反映した提言を行い、防災体制強化につなげていっていただければと考える。
 また、スマートコミュニティ構想は究極の防災モデルといえる。将来的には、当該関連事業についても組合として進出いただければと考える。

事業を終えて


 本事業が一定の成果を得ることができたのは、@組合員の参加率が高く、積極的な意見が頂けたこと、A組合側が水道局との意見交換の場の設定等迅速に動いていただいたことが大きいと考える。流山市管工事協同組合の皆様に感謝し、今後の成果に期待する。 (野々上 寛)


『中小企業ちば』平成25年5月号に掲載 (※内容・データ等は掲載時の物です)
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