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連携組織の活性化・共同事業等に意欲的に取り組んでいる県内の組合事例のご紹介


テーマ : 一店逸品等の研究による商店街の活性化
補助事業名 連携組織活性化研究会
対象組合等 八街駅南口商店街振興組合
  ▼組合データ
  理事長 秋山 勝治
  住 所 八街市八街ほ 237
  設 立 平成14年4月
  業 種 小売店、飲食店中心の異業種
  会 員 59人
担当部署 千葉県中小企業団体中央会 商業連携支援部(TEL:043-306-3284)
専門家 NPO法人一店逸品運動協会 理事長 太田 巳津彦(中小企業診断士)
 
3年がかりの運動

 

 JR八街駅前に位置する八街駅南口商店街では、足掛け3年にわたって、一店逸品運動に取り組んできた。少人数ながら、時間をかけて、腰を据えて一店逸品運動に取り組んできた。
まず、初年度(平成22年度)は、逸品運動を組合員に認知してもらうために、講習会を3回ほど開催した。講習会では、一店逸品運動と逸品の概念についてレクチャーするとともに、逸品を考えるためのベースとなる、各店の現状についてグループディスカッションを行った。
2年目(平成23年度)は、逸品研究会を中心に、具体的な逸品の検討を行った。逸品研究会は6回開催し、お客様の見直し、自店の見直し、逸品の検討、キャッチコピーの作成、店頭ディスプレイの方法などについて、具体的な検討を重ねた。
3年目(平成24年度)は、2年目の逸品研究会の総仕上げとして、7月に「やちまた逸品まつり」を開催し、逸品のお披露目を行った。逸品運動の参加店は11店で、各店の逸品は、以下のとおりである。


仲間づくりという成果


講習会から逸品まつりまで、3年間にわたる定期的な会合を通じて、参加店相互の理解は着実に深まった。特に、逸品研究会では、各店の扱い商品、店主の考えやこだわりなど、真剣に商売の話をすることができたことは意義深い。少人数でのスタートだったことが幸いしたと思うが、胸襟を開いて、商売の話のできる「仲間づくり」ができたわけである。一店逸品運動を通じて、「本音で付き合える仲間づくり」という基盤ができあがったことは、これからの商店街活動にとって貴重な財産となるだろう。

参加店の拡大が課題


今回は少人数でのスタートだったため、商売の見直しや仲間づくりといった着実な手応えが得られた。しかし一方、告知効果という点や、商店街全体の活性化という点では、十分な成果があげられたとは言い難い。商店街全体の運動としてゆくためには、参加店の拡大は不可欠である。また、今回の経験を踏まえて、運動として継続していくことも重要である。今後、八街駅南口商店街の一店逸品運動が、継続拡大し、地域に根づいた運動へと発展してゆくことに期待したい。


一店逸品運動のツボ


 前述したように、八街駅南口商店街では、一店逸品運動にじっくり腰を据えて取り組んでいただけた。これは、逸品運動の実質的なリーダーである「ぼっち」の小野さんが、逸品運動の本質をよく理解してくれたためである。そこで、以下に逸品運動の本質(ツボ)についてまとめてみたので、参考としていただきたい。

@「基本は逸品研究会にあり」

 逸品運動の基本は、研究会にある。定期的に参加者が集まり、逸品の検討をしていくのが、逸品研究会である。研究会では、お店のこと、お客様のこと、そしてお互いの逸品について、腹を割って話し合う。品揃えの見直しの延長線上に逸品があるわけだから、品揃えの前提となる、お店の特徴や対象客層について、まずは話し合う。研究会の最終目標は、個店の逸品づくり、逸品さがしにある。一人で考えていると、どうしても偏った思考になったり、壁に突き当たったりしてしまうものである。最終的には、各店が自分で逸品を決めなければいけないわけだが、他の人と話し合うことでヒントが得られたり、勇気づけられたりする。逸品研究会に参加していくことが、逸品運動を継続していく原動力となるのである。

A「時間をかける」

  よく、「逸品研究会から逸品フェア開催まで、1年近くかかるのは、長すぎるのではないか」といったご質問を受ける。そんなとき、私は、「かかるのではなく、あえて時間をかけているのです」とお答えしている。研究会で大切なのは、しっかりと考えることなのである。安易に即決したり、他人の意見を鵜呑みにするのでなく、自分が納得するまで、徹底的に話し合うことが大切である。逸品について、悩めば悩むほどよいので、そうすれば、より一層、逸品への思い入れが深まる。思い入れのある逸品だからこそ、一所懸命すすめをするのである。また、店頭ディスプレイやPOPにも工夫を凝らす。おすすめの話法にも迫力が出てくる。すなわち、逸品の検討に時間をかけることで、逸品への思い入れが深まり、「一人でも多くのお客様に逸品を知っていただきたい」との願いから、演出技術や接客話法がレベルアップする。こうして、逸品をきっかけにお店が活性化するわけである。

B「楽しい研究会が大切」

  逸品研究会では、小グループに分かれて話し合いをする。グループのメンバー構成は、発想を豊かにするためと、気兼ねなく発言するために、あえて異業種の組み合わせにする。研究会は、あくまでも話し合いの場であって、会議ではない。何かをまとめたり、決議することはしない。眉間にしわを寄せて、堅苦しい会議をするのではなく、多少の雑談や時には少々脱線しながら、和気あいあいとした雰囲気での話し合いが大切である。楽しい研究会からは、お客様にとって楽しい逸品が生まれるのである。

 また、一店逸品運動に継続して参加しているお店の多くの方から、「研究会が楽しいから参加している」との声をよく聞く。今や、商店街で行われなくなってしまった、「ざっくばらんに話し合うこと」が逸品研究会では行われていて、参加者はそんな話し合いが楽しいと感じているのだろう。

 一店逸品運動とは、逸品研究会そのものであり、逸品フェアや逸品カタログは1年間続けてきた研究会の成果のお披露目であり、結果に過ぎない。逸品を探したり、作り上げていくプロセスである逸品研究会の存在こそが、逸品運動の基本なのである。

C「すべてを、自分たちで考え進める」

 一店逸品運動では、逸品の検討からカタログの作成までを全員で行うことを基本としている。誰かに任せるのではなく、あくまでも自分たちの運動としていくために、手間暇かかっても、あえて手作りで進めていく。前述したように、逸品の検討は研究会で行うが、逸品フェアについては、別途、委員会やプロジェクトチームを編成して検討していく。具体的には、逸品カタログの作成、広報活動、逸品フェア期間中のイベントなどについて検討する。このように、全員参加型で逸品フェアを行うことで、当事者意識が強くなり、逸品運動継続の原動力となるのである。 (中小企業診断士 太田 巳津彦)


『中小企業ちば』平成25年1月号に掲載 (※内容・データ等は掲載時の物です)
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