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連携組織の活性化・共同事業等に意欲的に取り組んでいる県内の組合事例のご紹介


テーマ : 久留里の一店逸品運動
補助事業名 連携組織活性化研究会
対象組合等 久留里商店街振興組合
  ▼組合データ
  理事長 鳥井 正俊
  住 所 君津市久留里市場 861
  設 立 平成 6年 3月
  業 種 小売店、飲食店中心の異業種
  会 員 51人
担当部署 千葉県中小企業団体中央会 商業連携支援部(TEL043-306-3284)
専門家 NPO法人一店逸品運動協会 理事長 太田 巳津彦(中小企業診断士)
 
一店逸品運動とは

 

 一店逸品運動とは、個店の活性化によって、商店街やまちの活性化を図ろうとする運動である。ちなみに、一店逸品運動の発祥は、平成6年の静岡市呉服町名店街である。それまでの、ハード整備やソフト事業といった、商店街全体の活性化策ではなく、「個店を元気にすることで商店街は活性化する」という、新たな発想から生まれた、個店活性化策である。
商店街や中心市街地の活性化が叫ばれる今日、活性化策の決め手として、全国的にその輪が広がりつつある。

 

県下での展開


 千葉県下では、千葉市稲毛商店街が2004年から、松戸市と柏市が2008年から、一店逸品運動に取り組んでいる。稲毛商店街は単一商店街として、柏は市域全体として、松戸は松戸駅周辺地区として取り組んでおり、それぞれ年数を重ねることによって、地域に根ざした運動に育ってきている。また、一昨年から、久留里商店街、八街市、八日市場などでも、逸品運動がスタートしている。


キッカケは


 久留里商店街では、10月のお城祭り、12月のにぎわい市など、近年イベント事業に積極的に取り組んでおり、集客に手ごたえをつかんでいた。しかし、同時に、集客が個店の活性化につながっていないことにも、気づきはじめていた。イベントで来街者は増えても、当日の、各店での売上げはアップしていない。もちろん、個店の売上げがアップしなければ、商店街としての活性化とは言えない。したがって、商店街活性化のためには、個店の魅力アップが、不可欠なことを痛感していた。そんな折、県下での先進事例を通じて、一店逸品運動が、個店の活性化策として有効であることを知り、「まずは逸品運動の勉強をしてみよう」ということで、2010年に取り組み始めたのである。

 

まずは勉強会から


 1年目は、逸品運動の基本学習をということで、一店逸品運動そのものについて学習した。逸品運動の必要性、逸品運動の目的と効果、逸品運動の進め方などについて、先進事例を交えながら、講義形式で学習した。特に、昨今の流通業界の動向や消費者ニーズの変化などを踏まえて、「おすすめすること」の大切さについて、再確認した。そして、逸品運動の中心は、結果としての、イベントやカタログ作りではなく、定期的に開催してゆく「逸品研究会」にあることを、学習した。
次に、逸品の事例研究を行った。ここでは、逸品には、開発型逸品と発掘型逸品の2種類があることや、逸品を考えるためには、自店の特徴の見直しと狙うべき客層の明確化が大切であることなどについて、学習した。
こうした、基本的な学習を踏まえて、1年目の仕上げとして、具体的な商品の検討も試みている。各店がイチオシ商品を持参し、商品の特徴を説明するとともに、イチオシの理由についても語っていただいた。また、当該店舗以外の出席者には、買い手の立場に立って、さまざまな質問をしていただいた。これによって、こだわりの大切さと応えるべき顧客ニーズについて、実体験してもらえた。

 

2年目には逸品研究会を立ち上げる


2年目となった2011年は、春に逸品研究会を立ち上げている。研究会の立ち上げに際して、逸品運動に取り組む意向のある、お店を広く募った。そして、逸品研究会では、具体的な逸品の検討がメインとなるものの、段階的に進めてきた。
研究会の主な内容は以下のとおりである
@お客様の研究
 お客様の研究では、各店の現在のお客様について見直すとともに、将来的に来店していただきたい、お客様の具体像について、話し合ってもらった。ちなみに、逸品研究会では、参加店同士のディスカッションを中心に進める。中心客層、買い物行動の特徴などについて、忌憚のない意見を出し合ってもらった。そして、現状の客層を踏まえて、逸品によって来店を期待したい客層について、各店に考えていただいた
Aお店のこだわりの研究
 お店のこだわりの研究では、参加店それぞれの、特徴や強みについて、見直しをしていただいた。自店のことは、なかなか自分ではわからないものである。そこで、お互いのお店を訪問することによって、他店の目から見た自店の特徴を出し合った。具体的には、お店巡りツアーを開催した。これは、全員で参加店を巡り、消費者の目から見た「私のおすすめ商品」を、視察店舗から探し出し、発表した。他薦されたおすすめ商品を通じて、自店の特徴やこだわりについて、見直すことができただけでなく、お互いのお店の状況を熟知できたため、その後の研究会でのディスカッションが、中身の濃いものとなった。さらに、おすすめ商品を探すことによって、顧客目線を実体験することもできた。
また、先進地の視察も行った。稲毛商店街を訪問し、逸品運動についての説明を受けるとともに、逸品参加店を訪問し、逸品の生まれた背景やお客様の反応などをヒアリングした。視察することで、参加店は、逸品をより身近に感じることができた。

B逸品の研究
 こうした、事前準備を踏まえて、昨秋から具体的な逸品の研究に入っている。毎回、逸品が研究会に持ち込まれ、意見交換をしている。研究会では、当該店舗は逸品へのこだわりや思い入れを語り、他店は消費者目線で、さまざまな質問をすることを基本としている。ものづくりのできる店舗には、新たな逸品の開発に取り組んでもらっている。また、ものづくりが難しい店舗は、逸品探しをすることになるが、既存の取扱商品だけでなく、新たな仕入れ商品の発掘にも挑戦している。
C逸品の訴求方法の研究
 本稿が掲載されている頃には、各店の逸品が確定し、逸品の訴求方法について、研究会では話し合われていることと思う。いかにすぐれた逸品であっても、アピールの仕方が稚拙であれば、逸品のよさが顧客に伝わらず、期待どおりの反応は得られない。そこで、研究会では、逸品の訴求方法についても検討する。具体的には、逸品カタログでの表現(キャッチコピー、説明文、掲載写真)と店頭での表現(ディスプレイやPOPなど)について、先進事例を参考にしながら、検討してゆく。


逸品フェア開催に向けて


 今春には、逸品運動の総仕上げとして、逸品フェアを開催する予定である。逸品フェアは、あくまでもお客様へのお披露目であって、売出しではない。これまで研究してきた、各店の逸品を、お客様にご紹介することを主眼としている。逸品を一堂に会した、逸品カタログが作成されるとともに、各店の店頭には、自慢の逸品がディスプレイされる。その節には、ぜひ、久留里商店街をお訪ねいただきたい。(中小企業診断士 太田巳津彦)

 


『中小企業ちば』平成24年1月号に掲載 (※内容・データ等は掲載時の物です)
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